前回の「サバゲー初心者向けおすすめのKRYTAC5選!PDWからLMGまで」ではサバゲー初心者でも比較的に分かりやすいモデルを中心にご案内しました。
その流れで今回はクライタックでもっともコアな存在である「クリスベクター」についてご案内をします。
クリスベクターと言えばクライタックのアイコン的電動ガンですが、意外に初心者にはハードルが高い面もあります。それらを含めてクライタックのクリスベクターに魅力をご紹介します。
実銃のクリスベクターとは
実銃のクリスベクターは口径45ACPを撃ち出すサブマシンガン(SMG)として、アメリカ軍のピカティニー造兵廠とKRISS USA社との共同で開発されました。
現在、世界中の軍用サブマシンガンには制式口径に9ミリパラベラム弾を制定されています。その理由はリコイルのコントロールのしやすさと、コストパフォーマンスの高さによるものです。
しかし、アメリカ軍は9ミリパラベラム弾よりストッピングパワーの高いSMGを求めて、45ACPを使用するクリスベクターを開発したのです。
実銃のクリスベクターの特徴
アメリカ人が45ACPのストピングパワーに寄せる信頼性の高さは、もはや信仰に近いレベルにあると言っていいでしょう。
アメリカ軍は第二次大戦時にトンプソンM1A1SMG、M3SMG(グリースガン)という45ACPのSMGを採用していました。
しかしこの口径のSMGでは、威力は高くてもリコイルが強すぎてアンコントローラブルだったのです。
そこでKRISS USA社ではこのリコイルの強さを軽減するために新たなシステムを開発したのです。
KRISS Super V System(KSVS)とは?
実銃のクリスベクターがリコイルを軽減するシステムとして開発したのが、KRISS Super V System(KSVS)と呼ばれるデザインです。
このシステムの特徴はボルトの動く方向を、通常のように真後ろに向けるのではなく、内部パーツのカムを介してトリガーとマガジンの間のスペースに落とし込むようにデザインしたことです。これにより肩に伝わる反動がかなり軽減されています。
さらにグリップする指の位置が、バレルよりも上に来るようにデザインされているため、ハンドガンで言うところの「ハイグリップ」状態になり、銃口の跳ね上がり(マズルジャンプ)が押さえやすくなっています。
この2つの特徴により、クリスベクターは、他の45ACPのSMGよりもコントロールがしやすいという評価を受けています。
クライタック電動ガン クリスベクターとは
クリスベクター欲しいんよなぁ pic.twitter.com/uuSDptD9gy
— サクラソウ (@Itosan_CUE_) May 7, 2020
クライタック製クリスベクターは、実銃メーカーが自社製品を電動ガンとして製造しているため、大変リアルな外観と剛性感の高い製品に仕上がっています。
また電動ガンですので、さすがにKRISS Super V System(KSVS)は再現されていませんが、その代わりにピストンの位置をトリガー前のスペースに持ってくるという凝った造りのメカボックスになっています
このため、電動ガンの内部メンテに慣れていない人にとっては、いささか分解を戸惑うメカボックスと言えるでしょう。
クリスベクターのバッテリーについて
クライタックの日本代理店であるLaylaxでは7.4V/1200㎃のリポバッテリーを推奨しています。7.4V/2200㎃でも入りますが、スペース的にギリギリなので、余裕が欲しい人は1200㎃サイズのほうがいいでしょう。
ただ、1200㎃だと一日ゲームで使用した場合には容量的に不安があるので、できれば2本は用意したいところです。
クリスベクターの実用性(実射スペック)
クリスベクターは7.4Vリポバッテリーでサイクル15発/秒、初速が80~84m/sというスペックです。クリスベクターのメカボックスは台湾のメーカーが造っています。
台湾製電動ガンの特徴といえばMOS-FET+電子トリガーですが、クリスベクターもその例にもれず、MOS-FETと電子式トリガーが実装されています。
本日はクライタック電動ガン、クリスベクターの実射テストです。平均初速81m/s、弾道かなり安定してます!コレは良いもの! pic.twitter.com/3rsf2urAtr
— ハイパー道楽 (@hyperdouraku) July 19, 2017
ただこの電子式トリガーはFCUではないのでプリコックやバースト数の変更と言った細かな設定はできません。それでもセミ/2バースト/フルオートの切り替えはできるので実用上は十分でしょう。
ただ、G&GのG2メカボックスのようなキレの良いセミオートに慣れた人には、いささかセミのキレにモッサリとしたドン臭い印象を持つかもしれません。
クリスベクターとサプレッサー
日本製電動ガンや海外製電動ガンでも、マズルのフラッシュハイダーを外せば14㎜逆ネジ規格になっていて、サプレッサーの多くがそれに合わせた仕様になっています。
クリスベクターも他の製品と同様にフラッシュハイダーを外した時に14㎜逆ネジ規格が現れて、お好みの各サイレンサーを装着できます。
クリスベクターとマガジン
実銃のクリスベクターでは、グロッグ21(.45口径)のマガジンと共用できますが、電動ガンのクリスベクターでは、.45ACP30連マガジンを模したスプリング式の95連マガジンが付属します。
また、オプションで純正50連ショートマガジンや400連ドラムマガジンも用意されています。
特に50連ショートマガジンを装填すると、全体的にスッキリとしたスタイリッシュな印象になるのですが、標準マガジンの半分の装弾数になるため、カッコイイ見た目をとるか?
あくまでも実戦での優位性を選んで付属の95連マガジンにするか?悩むところです。
サバゲーでのクリスベクターの実用性とは
クリスベクターの実射性能のスペックは前述したように「初速80m/s前半台、サイクル15発/秒」「セミ/2点バースト/フルオート」というように、サバゲーで使う分には申し分のない性能です。
また、40m先の人間大のターゲットに届くくらいの射程距離も有しています。
さらに実銃メーカーが作る電動ガンとして高い剛性感を兼ね備えています。しかし、実際にフィールドでクリスベクターを使うと多くのユーザーが(;´・ω・)という顔になります。
それはクリスベクターのギア鳴りがとても賑やかだからです。
クリスベクターのギア鳴りの原因は
初めてクライタッククリスベクターを使われた人は、賑やかすぎるギアの音に「なんで6万以上する製品なのにこんなにギア鳴りがするんだよ!(# ゚Д゚)」と思われると共に、
東京マルイの電動ガンがどれほど国内向けに作られているのかを実感されるはずです。
でも、「ギア鳴りが酷い=クライタックがマルイよりも劣っている」ではないのです。両者の違いは電動ガンのギアに対する考え方によるものです。
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クリスベクターのギア鳴りが東京マルイの製品に比べて酷い原因は、ベベルギアのスプリング式自動調整シムと、ギア自体の剛性を優先させた歯面の少なさと厚さによるものです。
これは日本より高レートのスプリング使用を前提とした海外製電動ガン全般に見られる特徴です。強いスプリング+きつめのシム調整+剛性を優先したベベルギア=ギア鳴り賑やかベクター君となるわけです。
なら、内部のギアを東京マルイ製に換装すればいいじゃん!となるのですが、そこには日本総代理店であるLaylaxが仕込んだ大きなトラップが仕掛けてあります。
クリスベクターの分解について
クリスベクターの箱を見れば分かりますが、輸出国の事情に合わせて5ツの仕様に分かれていることがうかがえます。その中で日本仕様は05に該当するのですが、
日本仕様の一番の特徴は付属のマニュアル通りに分解できないようなっているのです。
本来クリスベクターは底部のピン2本を抜くとピストンスプリングが交換できるのですが、日本代理店のLaylaxによって分解防止用のピンが1本追加されています。
またこのピンにはシールが貼ってあり迂闊に剥がすと保証対象外になるのです。
さらにローアフレームとアッパーフレームの境に薄くて粘着力の強いシールが貼ってあり、これも取り除くとLaylaxの製品サービス保証の対象外になってしまいます。
これを知らずに買ったユーザーは「本体だけで6万円オーバーなのにギア鳴りが酷くて、その上分解不可の封印がしてあるなんて!」とガチギレするわけです。
クリスベクターのカスタムについて
クリスベクターは分解防止策がLaylaxによってなされていることは前述のとおりです。そのためギア鳴りの調整や内部カスタムを個人でするにはメーカー保証の対象外になる覚悟が必要です。
ただ、分解防止用ピン自体の取り外しは難しくはないので、腕に覚えのある人なら難易度は高くないでしょう。
また、電動ガン内部カスタムに自信が持てない人は、海外製エアガンの取り扱いに長けた販売ショップに依頼すれば、東京マルイの電動ガン並みに仕上げてもらえます。
もちろんカスタムフィーが別途発生しますけど。
クリスベクター外装ドレスアップパーツについて
電動ガンの外装部にアクセサリーをポン付けしただけで「外装カスタム」と呼ぶ人もいますが、ijirareにとってはアクセサリーをポン付けしたものはドレスアップと捉えています。
そこでここでは無加工で取り付けられるドレスアップパーツをご紹介します。
クリスベクター
キーモッドレイルハンドガード
KRISS Vector カスタムマガジンキャッチ
KRISS VECTOR バッテリーエクステンドキャップ
クリスベクターのライバル製品との比較
ベクター、コンプリートしたヽ(*´∀`)ノ
上からクライタック、A&K、KWA(KSC)、コヨーテ。
ピンクのベクター、案外いける!#クリスベクター #サバゲー #サバゲー女子 pic.twitter.com/bzGZ9aEkom— Vera♡Rock Rose (@kinpouge_3) May 8, 2020
クリスベクターのライバルとなる製品は電動ガンで2機種、ガスブローバックガン1機種が過去にありました。しかし、現在の日本のエアガン市場ではこれら3種のクリスベクターの新品は流通しておりません。
特にメカ好きな人が興味を持つ、実銃の作動を再現したガスブローバックモデルであるKSC/KWAの製品も現在では入手困難な状態です。
もしこれらのコヨーテエアソフト、A&Kの電動クリスベクターと、KSC/KWAのガスブローバックモデルをお探しの方は、オークションなどをこまめに見て探すしか方法はないでしょう。
同価格帯のライバルとの比較
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クライタックのクリスベクターは本体価格だけで6万円オーバーの高価格帯電動ガンです。この金額を出せる恵まれたユーザーなら、同価格帯に多くの電動ガンが選択肢として上がります。
CXP-MARS PDW9 SSS 2.0 (電子トリガー・ブローバック M4 電動ガン)
[SIG SAUER] PROFORCE MCX VIRTUS SBR
G&G ARMAMENT TR16 MBR 308WH
東京マルイ Mk18 Mod.1 18歳以上次世代電動ガン
[KSC] STRAC ERG
ここに挙げたほとんどのモデルが、MOS-FET+電子トリガー搭載でバーストショット、プリコックによる高レスポンスを実装したモデルです。
東京マルイの次世代電動ガンは接点スイッチ式ですが、他のモデルよりも高い命中性能を持ち、ギア鳴りも皆無です。
実勢価格が6万円前後になると、様々な多機能モデルが選べます。
クライタック クリスベクターのまとめ
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クライタックのクリスベクターの評価は外装部と内部メカで大きく分かれます。外装パーツに関しては、実銃同様のリアルな刻印、剛性の高いフレーム、オリジナルに忠実なフォルムと、どれをとってもさすがは実銃メーカーが造る電動ガン!と称賛できる仕上がりです。
問題なのは内部メカ、特にギア鳴りの問題です。このギア鳴りが気にならない人はそのまま普通の電動ガンとして使えるでしょう。
しかし、このクリスベクターのギア鳴りが気になる人は、代理店Laylaxの保証対象外になるのを覚悟して自分で調整するか、あるいはショップに調整依頼することになるでしょう。
実銃ばりの外装と東京マルイ並みの実射性能をクライタックのクリスベクターに求めるには、ユーザーもそれなりの負担を求められます。
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