前回のブログでは初心者が抱きやすい「ボルトアクションの常識の誤った捉え方」として4つの例をご紹介しました。
この4つの常識の誤った捉え方の共通点は、
「電動ガンのアウトレンジから撃ちたい!」という願望です。
銃口初速規制が施行される以前には、この願望は当たり前のように通用していたのですが、規制後はどのジャンルのエアガンも銃口初速の上限が一律になったことは前回のブログでご紹介したとおりです。
では、電動ガンに対してアドバンテージのなくなった現在のボルトアクションスナイパーが生き残る方法とは何でしょう。
今回はその結論に繋がる
ボルトアクションスナイパーの「ポジション取り、移動法、隠れ方」という3つの手法についてご案内をいたします。
ボルトアクションライフルで電動ガンに勝つための考え方とは?
火力の劣るボルトアクションライフルを使って電動ガンに勝つための結論を言えば
「相手より先に敵を見つけて、正確な一撃を加える」というシンプルなものです。
なんだ、そんな単純なことか!」と思われる方も多いでしょう。
しかし、この単純なことを実行するのがとても難しいのです。
では、その難しいことをサバゲー初心者がやってのけるにはどういった戦術・戦略が必要でしょうか。
管理人が過去の経験から感じるのは、「隠れ方」「見つけ方」「当て方」の3つだと思っています。
そこで、これらの3つの方法をさらに掘り下げてお伝えします。
画像出典:https://www.1stmardiv.marines.mil/Photos/igphoto/231158/
敵に発見されないためのボルトアクションスナイパーの戦術1,フィールドワーク
ボルトアクションを使って電動ガンと戦うスナイパーが、敵から発見されにくくするための行動に、移動法、ポジション取り、潜み方の3つがあります。
これらを総称して「スナイパーのフィールドワーク」と呼んでいます。
画像出典:https://www.pexels.com/ja-jp/photo/669282/
ボルトアクションスナイパーのポジション取りとは
ポジション取りとはゲーム開始時に自分が有利に作戦を展開できる場所を陣取ることです。
この有利というのは、「敵が進行してくる姿が自分からは見えるが、相手からはわかりにくい所」ことです。
という風に書くと「何じゃそりゃ!そんな都合のいい場所なんてないよ!」とお叱りを受けそうですが、自分に置き換えてみるとご理解いただけると思います。
自分で電動ガンをもって、敵を探す時には、まず自分の目線の高さで探すと思います。
そこで見つからなければ次に探すのが、岩や樹の幹の裏、濃いブッシュの後ろなどを警戒するはずです。
それでも発見できなければ視線を今度は上の方に持っていった索敵を行うと思います。
画像出典:https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/f/fb/Marines-with-sniper-rifle-2.jpg
つまり、スナイパーのポジション取りとは、敵が警戒する場所を避けて敵の視線外にアンブッシュすることなのです。
そのために中腰にしゃがんだ敵の視線の高さよりも上か下、あるいは敵が真っ先に警戒しそうな木の幹は岩、土手のすぐ脇にあるブッシュなどでこちらからの射線を確保できる場所のことです。
そしてこのポジショニングは、ゲームの前から調べておく必要があります。
ボルトアクションスナイパーとして電動ガン相手に戦うのなら、ゲーム開始前にフィールドを調べて、敵が進んできそうなルートを予測して、どこが一番有利な場所なのかを把握しておきましょう。
ボルトアクションスナイパーの移動方法とは?
この場合の移動方法とは、ゲーム中に何らかの理由で今いる場所から違う場所にポジションを移動することを指します。
ゲーム開始と同時に、各プレーヤーは自分が決めた場所にダッシュしますが、これはボルトアクションスナイパーも同じです。
しかし、実戦では自分が立てた予想どおりにゲームが展開することはまずないのです。
どうしてもゲームの途中で自分が立てた計画を修正する必要がでてきます。
例えば、敵のユニットが予想していた進行ルートとは別のルートを進んできたとか、予想どおりに敵が進んできても自分が撃った一撃が当たらずに、自分の場所が察知されてしまったというようなケースです。
この場合の移動方法でまずおすすめするのは一旦後退することです。
後退して体制を立て直した後で再度、作戦を立て直すのです。
ボルトアクションスナイパーには、時に後退する勇気を持つことも必要です。
さて、後退した後に戦線に復帰する際の移動方法としては、まず発射音や風の音などに紛れて自分の気配を消しながら遮蔽物を利用して進むことです。
サバゲーでの交戦時の発射音は、参加しているゲーマーたちの意識を引きつけてくれます。
敵の意識がこちらに向きにくい時する移動は、見つかりにくいのです。
さらに、風の吹く時に移動すれば、自分が草や木の枝を揺らしても気づかれにくくなります。
また、日向よりは日陰、順光よりは太陽を背にした逆光のほうが、光のコントラストを利用できて、発見されにくいでしょう。
こういったタイミングを見計らって移動することをボルトアクションスナイパーにはおすすめします。
画像出典:https://commons.wikimedia.org/wiki/File:A1C_Kristin_Ferris_at_Eielson_AFB,_Alaska_8_August_2006.JPG
ボルトアクションスナイパーの隠れ方とは
ボルトアクションスナイパーの隠れ方は、2つのアプローチに大きく別れます。
1つ目は「色彩的」な隠れ方です。簡単に言えばフィールドの風景、背景に溶け込みやすい色合いの服を選ぶことです。代表的な例が「迷彩服」でしょう。
A-TACSやマルチカム・トロピカル、ロシアのフローラ迷彩、そして自衛隊迷彩などがこれに当たります。
もう一つのアプローチが「シルエットのぼかし方」です。この人形のシルエットをぼかす方法は、隠れ方としては一番効果的だと言えるでしょう。
どんなに風景に溶け込む迷彩パターンよりも、頭から肩にかけての体のラインを消すほうが、圧倒的に敵の目を欺けます。
これらのことについて、もう少し掘り下げてみましょう。
画像出典:https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/2/2c/TE_2REI_Afghanistan.jpg
ボルトアクションスナイパー向け迷彩服:「リアルツリーカモ」
ボルトアクションスナイパーに限らず、敵からの発見を避けるために風景に溶け込む迷彩服のチョイスは重要です。
ただ、日本には四季があり、夏と冬とでは、同じフィールドでも景色の色が大幅に違ってきます。
また雪の降る寒い地方と、ただ草木が枯れるだけの地域とでは、同じ冬でも、必要になる迷彩服の色合いが違ってきます。
さらに、夏でも五月晴れの季節、梅雨明けからの初夏、虫の音が聞こえ始める初秋とでは、同じグリーン系の迷彩でも微妙に色合いが違ってきます。
このように時期によって迷彩の色合いを変えられれば、かなりの確率で敵の目を欺けるでしょう。
さきほど挙げたA-TACS、マルチカム・トロピカル、フローラ迷彩、陸上自衛隊迷彩などは各国の軍隊で使われている高い迷彩効果を発揮することで知られていますが
、ミリタリーに拘らなければ、それ以上に迷彩効果を発揮してくれる色合いのカモフラージュアイテムがあります。
それがリアルツリーカモです。
もともとは欧米のハンターたちが自分の存在を獲物に気づかせないために開発された迷彩パターンなので軍隊で採用しているところはありませんが、サバゲー用の迷彩としては最高のパフォーマンスを発揮してくれます。
リアルツリーカモは迷彩パターンというよりは、木の枝や木の葉をプリントしているデザインなので、そのまま森林フィールドで使えばギリースーツと変わらないくらいの迷彩効果を発揮してくれます。
軍隊仕様の迷彩パターンに拘らないボルトアクションスナイパーには、このリアルツリーカモをおすすめします。
久しぶりに全身リアルツリーカモでプレデターばりのカモフラージュしようかと思ったけど今の時期草生えてないか|ω・`) pic.twitter.com/evNjtUkGjP
— タクヤ (@Takuya920O) February 21, 2018
ボルトアクションスナイパーにとって必須のギリースーツとは
スナイパーが敵の目を欺きながら敵に近づく方法として取るのが「体のシルエットをぼかす」という手法です。
いわゆる「ギリースーツ」呼ばれるもので、頭から肩にかけてのラインをボカしながら、表面に麻紐や現地に生えている植物で擬態を施して、周囲の植生に同化して自分の存在感を消すものです。
画像出典:https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/d0/SLA_SF_ghillie_suit.JPG
ただ、このギリースーツも本当の戦闘のように数百メートルから1キロオーバーの距離ならとても効果的なのですが、サバゲーのように数十メートルで戦うゲームでは本来の擬態機能を発揮できません。
スナイパーが被ってるあのモコモコしたのは『ギリースーツ』って言うんだ! https://t.co/ifx4ZpvEX3
— 即ヌキ@¥10で抜けるオカズ屋さん😝 (@gamegame050505) October 30, 2019
まず、擬態に完璧を求めるあまりに、あまりにボリュームを付けすぎると返って不自然になってバレやすいのです。
また、全身を擬態だらけにすると著しく機動力が損なわれて固定砲台になってしまいがちです。
さらに、体から発散される熱や湿気によりゴーグルも曇りやすくなると言う欠点も出てきます。
そういったギリースーツの欠点を解消するために、近年のサバゲーで使われているのが、「ハーフギリー」や「ギリーフード」と呼ばれているものです。
ジュートを取り付ける加減が分からなくてギリースーツを作るのがとても下手なのですが。
ギリーフードにジュートを取り付けたらこうなるよの図です。 pic.twitter.com/NGr86kfsmw— sukerucom (@sukeruko) July 9, 2019
機動力と擬態を両立させた「ギリーフード」とは
このギリーフードの良い所は、頭から肩、胸といった敵から一番見つけやすい部分のシルエットだけを誤魔化す!と割り切ったところです。
そのため、動きやすく軽量で、メッシュ地採用のために熱や湿気が逃げやすいのです。
これからボルトアクションスナイパーとしてギリースーツの利用を考えている人は、まずはこの「ギリーフード」から試されてはいかがでしょうか。

ボルトアクションスナイパー向けギリー:「3Dパターン ギリー」
さて、ギリーフードは胸部から上の部位をカモフラージュするのに特化したアイテムですが、やはり全身に擬態を施したいと考える方もおられるでしょう。そういった方におすすめなのが「3Dパターン ギリースーツ」です。
この3Dパターンと従来のギリーとの違いは、メッシュ地の上に木の葉をプリントした素材を立体的に貼り付けていることです。このデザインによって、森林フィールドでのカモフラージュ率は完璧と言っていいほどです。
管理人もこの3Dパターンギリーを着た仲間と幾度となく戦った経験がありますが、森の中に入られた時には、ほぼ発見することは不可能でした。ギリースーツで全身を擬態化したい方には、おすすめできるアイテムです。
まとめ
今回はスナイパーのフィールドワークに重点をおいてご説明しました。ポジション取り、移動法、隠れ方といったスナイパーの基本的な動きだけでも、これだけの選択肢があるのです。個人的にはスナイパーの仕事というのは、トリガーを引くまでの段取りで90%は終わっているのではないかと思っています。次回はスナイパーとしての索敵法+αをご案内したいと思います。それでは、次回でまたお会いしましょう。