東京マルイ電子トリガーの進化とは?搭載モデル4選の紹介と解説!

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電子トリガー搭載モデルと言えば海外メーカーのG&G ARMMENT社やKRYTAC社の電動ガンが業界の先駆者と思われがちですが、

東京マルイからも既に1990年代に電子トリガー搭載の電動ガンが発売されていたことはご存知でしょうか?

実は1996年に東京マルイもFETによる可変バースト機能を有した電子トリガー搭載モデル電動ガンSIG550が発売されていました。

当時の電子トリガー(FET)はスイッチの焼き付け防止がメインの目的で、今のMOSFETのように多機能なものではありませんでした。

バーストコントロールも今の電子トリガーシステムのように、シッカリとした制御をできなかったのです。

そのSIG550から20年の時間を経て、東京マルイは再び電子トリガー搭載モデルをリリースし始めます。

これまで東京マルイから販売された電子トリガー搭載モデルの4機種と、東京マルイ独特の電子トリガーの特徴をご説明します。

電動ガンの電子トリガーとは

最近の電動ガンには電子トリガーユニットが搭載されていることを皆さんはご存知ですよね。

最近では台湾製のみならず香港製や中華製の電動ガンにも電子トリガーユニットが搭載されるのがデフォになりつつあります。

それに対して日本メーカーの東京マルイでは、電動ガンの電子トリガーユニットの搭載にかなり慎重でした。

しかし、実際は東京マルイも今から20年以上前の1990年代に、一度はFET搭載の電動ガンを販売しているのです。

そして、東京マルイでも近年になって再び電子トリガーユニット搭載のモデルをリリースし始めました。

今回はこの東京マルイの電子トリガーの特徴と搭載されたモデルのご紹介をします。

そもそも電動ガンの電子トリガーってなに?

電動ガンは、トリガーに連動したスイッチの物理的な接触で回路が繋がり、バッテリーからモーターに電流が流れて電動ガンを駆動させます。

通常トリガーを引いていない状態では、メカボックス内のスイッチは分離して回路が繋がっていない状態です。

トリガーを引いた時だけトリガーに連動したスイッチの電極が前進して回路が繋がり電動ガンを可動するのです。

電子トリガーとはこの物理的なスイッチの接触で繋がる機械的回路を、電子的回路に置き換えるシステムのことです。

電動ガンを電子トリガーにするとどうなる?

機械式トリガーから電子トリガーに変えるとどうなるのか?簡単に説明すると3つの現象が起きます。

1,配線上は常に接続した状態になるが、その間に電流を通すか否かをFETが決定付けます。つまり直結状態という事です。
2,従来のトリガースイッチは微弱な電流(ノーマルの1/100000程度)を用いてFETを駆動させる為の信号用に置き換わります。
3,その結果、トリガースイッチでスパークは発生せず、スイッチの焼き焦げによる消耗は抑えられます。

東京マルイ初期の電動ガンの電子トリガーとは?

東京マルイの電動ガンのトリガーは、基本的に機械式のスイッチが標準でした。

しかし、瞬間風速的に東京マルイの電動ガンにも電子トリガー搭載モデルがあったのです。

それが1996年に発売された「SIG550」と1997年に発売された「SIG551 SWAT」というモデルです。

この時搭載された電子トリガーは、いわゆるFETによる可変式バーストコントロールで、

トリガースイッチの入り切りの回路を電子的に管理してスイッチの焼き付きを防止すると共に、

バーストの発射数を2~8発の間に可変的に設定できると言うものでした。

当時としては先進的な取り組みだったのですが、実際にはバーストショットが安定せず、設定した弾数よりズレることが多かったのです。

そのため、東京マルイはFETを搭載した電子トリガー搭載モデルを封印して、この後20年は電動ガンのトリガーをメカニカル方式に頼らざるを得ませんでした。

電動ガンの搭載されているFETってなに?

FETとはField-Effect Transistor(電界効果トランジスタ)の略です。

その性質は「電界を使って微弱な電圧で大電流を制御する」という特徴があります。

簡単にいうと電動ガンのバッテリーとモーターを直結して、電流の流れのオン、オフの切り替えだけをトリガースイッチに流す微弱な電気信号でコントロールしますよ~というシステムです。

FETのメリットとは?

FETのメリットはトリガースイッチに流れているのが微弱な電気信号であるため、

スイッチ端子が接触してもスパークが発生せずにスイッチの焼け焦げや融解による摩耗が起きないことです。

つまり、ノーマルの電動ガンよりもスイッチが長持ちするということですね。

あと、FETのON/OFFを決定づけるスイッチが小さくなるため、

トリガーストロークを短くすることが可能=発射までのタイムラグが短くなるので「キレが良い」というメリットも生まれます。

FETのデメリットとは?

FETのデメリットはトランジスターの石が破損した時に起きる電動ガンの暴発です。

FETはバッテリーとモーターが直結した状態で、電気の流れのオン/オフをトランジスターから流す電気信号によってコントロールしています。

このトランジスターの石は高熱に弱く、高温での連続使用で電気回路の接合が壊れることがあります。

こうなると電動ガンはバッテリーとモーターが直結した状態になり、バッテリーを外さない限りトリガーの位置に関係なくBB弾を発射し続けます。

東京マルイの電子トリガーの進化②フルオート電動ショットガンAA-12

1997年のスタンダード電動ガン「SIG551 SWAT」でFET搭載の電子トリガーを封印した東京マルイですが、20年の時を経た2016年初頭に思わぬ形で復活します。

それが東京マルイの初のフルオート電動ショットガン「AA-12」です。

ここからは東京マルイがAA12でFETを搭載した目的や進化の過程をご説明します。

フルオート電動ショットガンAA-12とは?

東京マルイのAA-12はショットガンで初めての電動フルオートを実現させた画期的な製品です。

東京マルイのショットガンは1ショットで3発同時発射できることはご存知ですよね。

AA-12はこの1ショット3発同時発射を電動でフルオート化すればすごくね!という発想で製品化されたものです。

AA-12のスペックは1ショット3発同時発射を1秒間10発のサイクルで発射します。

装弾数93発のマガジンを3秒ほどで空にします。

その弾幕は凄まじく秒間25発のハイサイクルを凌ぐほどです。

そのため、フィールドによってチート認定して使用禁止扱いにするほどです。

しかし、文章で書くと簡単に思えますが、実用化のためにどうしても克服しなけらばならない難問が2つありました。

その1つは3本のインナーバレルに3発のBB弾を同じタイミングで装填すること、

そしてもう一つは3発のBB弾を十分な初速で飛ばすための強力なスプリングをモーターでコッキングしなければならないことです。

フルオート電動ショットガンAA-12のデジタルFETとは?

東京マルイのフルオート電動ショットガンAA-12では、新たにデジタルFETを導入して、モーターの電圧や3発同時装填を管理しています。

AA-12では1ショット3発×10発/秒を実現しているのですが、

従来のスイッチでは焼き付けを防ぎきれないという判断により、東京マルイ初のデジタルFETを採用しています。

このデジタルFETでスイッチの焼き付きを防ぐと共に、バッテリーの電圧が規定値より下がらないようにモニターもしており、

バッテリーの電圧が不適切だと回路が停止する仕組みになっています。

東京マルイの電子トリガーの進化③次世代電動ガン「マーク46モッド0」

フルオート電動ショットガンAA-12でデジタルFETを搭載した東京マルイですが、次世代電動ガン「マーク46モッド0」で電子トリガーをさらに進化させます。

AA-12ではスイッチの焼き付き防止と、バッテリーの電圧モニターにFETを搭載しましたが、

「マーク46モッド0」では、ユーザーの安全性を最優先に考えてFET+センサー内蔵の電子トリガーに進化させています。

東京マルイ次世代電動ガン「マーク46モッド0」とは

次世代電動ガン「マーク46モッド0」は、東京マルイで初のライトマシンガンジャンルの電動ガンです。

フルメタル製ボディで本体重量6.35㎏、その重量級本体を揺らすほどの強烈なリコイル、

電動巻き上げ1000連マガジン付属、ワンタッチでバレル交換、ベルトリンクによるフィーディングといった実銃のギミックが再現されています。

東京マルイのフラッグシップモデルとも言っていい存在で、販売価格も東京マルイで最高の148,000円になっています。

東京マルイ次世代電動ガン「マーク46モッド0」の電子トリガーとは

東京マルイ次世代電動ガン「マーク46モッド0」の電子トリガーの目的はユーザーの安全性の確保です。

東京マルイが一番に心配したのが、リコイルウエィトの誤作動による指の負傷です。

次世代電動ガン「マーク46モッド0」ではフィーディングカバーを開けてマガジンをセットするのですが、その際に本体内部のリコイルウェイトが露出します。

マガジンセットの時にリコイルウェイトが動いて指を挟む事態はどうしても防ぎたかった!

そのためフィーディングカバーのオープン時、バレルを取り外した時、そして全弾発射で残弾0になった時に作動が停止します。

この作動の制御のため各所のセンサーを配置して、誤作動による指の負傷を防いでいるのです。

また「マーク46モッド0」では連射マガジンでもオートストップが作動します。

これも電子トリガーと連動しているセンサーの働きによるものです。

東京マルイの第3世代の電子トリガーは安全性を最優先にしたものです。

東京マルイの電子トリガーの進化④次世代電動ガンMP5A5

東京マルイの電子トリガーの進化の最新版は2021年5月に発売された次世代電動ガンMP5A5です。

この次世代MP5の電子トリガーは単なるFETによるスイッチ制御ではなく、

磁気センサーとマイコンによってギアの回転のタイミングまで電子制御化されたシステムです。

東京マルイ次世代電動ガンMP5A5とは

東京マルイの次世代電動ガンMP5はユーザーからの要望の多かったMP5をリコイル電動ガンとして生まれ変わらせたものです。

これまでのMP5との違いは、

1,リコイルのある次世代電動ガン
2.ファイアーコントロールシステムによる3バーストショットの実装
3,ワンピース構造のフレームによるボディ剛性の向上、
4,MP5シリーズ初のオートストップの搭載、

などが挙げられます。

次世代電動ガンMP5の電子制御システムとは?

東京マルイの次世代電動ガンMP5の電子トリガーは、

FET搭載の単なる電子トリガーではなく、センサーやマイクロスイッチまで内蔵した電子制御システムにまで昇華したものです。

メカボックス内7カ所に磁気センサーを配置し、ギア作動の異常、FETの異常、バッテリーコンディションの異常を管理しています。

またトリガーもマイクロスイッチ化されており、よりレスポンスの高いモノになっています。

これらの電子制御システムを東京マルイでは「Mシステム」と呼んでいます。

個人的にこのMシステムの一番の恩恵は、オートストップの搭載と3バーストの実装だと思っています。

まとめ

今回は東京マルイの電子トリガーの進化についてご案内しました。現在、この分野で東京マルイは海外製電動ガンの一歩後ろを歩いています。今後、この分野でも東京マルイの電子トリガーが海外製メーカーより進歩することを願います。

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