2023年4月21日追記
エアガン愛好家の皆さんにとって、射撃精度と射程距離の向上は永遠の悩みの種ですよね。
チャンバーパッキンの調整は、この目標を達成するために欠かせないポイントです。
この記事では、最近登場したホップアップシステムや調整法についてわかりやすく解説し、
皆さんの射撃精度と射程距離の向上に役立てるためのチャンバーパッキン調整方法を紹介していきます。
2021年以降、新しいカスタムチャンバーパッキンや注目され始めたチャンバーパッキン調整法のコンセプトが登場しました。
そんな最新情報も取り入れながら、エアガンの性能を最大限に引き出すためのアドバイスを提供します。
ぜひ参考にして、皆さんのエアガンライフをさらに充実させていきましょう!
トイガン歴40年のマニアが伝える「初めてのエアガン選び」で失敗しないためのコツ
チャンバーパッキンを調整すればどうなるか
先ほど「チャンバーパッキンを調整すれば初速や集弾性が向上する」と述べましたが、その理由はなぜでしょうか?
1、チャンバーパッキンを調整すれば初速や集弾性が高くなる理由
エアガンはBB弾を発射するのにエアー圧を利用しています。
このエアー圧の漏れがないほど初速変化が少なく、集弾性が向上するのです。
そのためノーマルのチャンバーパッキンにエア漏れ対策を施すと、チャンバーパッキンのシーリング効果で気密が上がり、結果として、初速、集弾性がアップして射程距離が伸びるのです。
2、チャンバーパッキンを調整すればホップ回転が安定して命中精度が上がる理由
現在、チャンバーパッキンにはいろいろなタイプのカスタムチャンバーが販売しれています。それらのチャンバーパッキンにはBB弾の弾道を安定させるように「Vパッキン」や「2点押さえ」といった様々なアイデアが盛り込まれています。
また、ノーマルの純正パッキンがBB弾に対して接触点で瞬間的にホップをかけるのに対して、カスタムチャンバーには面で押さえて長くホップをかけるタイプがあります。
この面押さえの長掛ホップなら、純正のチャンバーパッキンよりもBB弾にホップをかける時間が長くなり、重量弾にでも十分なホップ回転が与えられます。
その結果として、狙いやすく安定した低伸弾道で命中率が高まり、重量弾を使うことにより横風の影響も受けにくくなるのです。
また、十分なホップ回転が掛かった重量弾は、軽量弾よりも失速しにくいので、射程距離を伸ばす効果があるのです。
このようにチャンバーパッキンを調整すると、「射程距離アップ」「初速アップ」「グルーピングの向上」「命中精度アップ」という効果が得られるのです。
エアガンのチャンバーパッキンとはなに?
先ほどはチャンバーパッキンを調整することで得られる効果をご説明しました。
でもその前にサバゲー初心者の皆さんは「チャンバーパッキンって何?」と思われることでしょう。
そこで、チャンバーパッキンという言葉を初めて聞く人のために、エアガンのチャンバーパッキンについてと役割をご案内します。
1、エアガンのチャンバーパッキンとは?
エアガンのチャンバーパッキンとは、インナーバレルに装着するゴム製の小さな筒状のパーツのことです。
このゴム製パーツがあるおかげで、マガジンから送られたBB弾を員なバレルから発射できるようにセットできるのです。
ゴム製である理由は、BB弾を傷つけずに保持するのと、シリンダーノズルから送られたエアーの圧力をBB弾にロスなく伝えるためです。
2、チャンバーパッキンの3つの役割
エアガンのチャンバーパッキンにはエアガンのスペックを左右する重大な3つの役割が与えられています。
1、BB弾の保持
エアガンではマガジンから送られたBB弾をシリンダー側のノズルでインナーバレルへと送ります。
その時に金属製のインナーバレルの後端にゴム製の筒状パーツを被せておけば、柔らかく弾力に富むゴムによってインナーバレルの直前でBB弾を待機させられるのです。
このBB弾の保持がチャンバーパッキンの一つ目の役割です。
2、チャンバーの気密確保
チャンバー内に待機させられたBB弾は、ノズルから吐き出されるシリンダー内のエアーによってインナーバレル内で加速されながら発射されます。
この時に、吐き出されたエアーが漏れると十分なエアーがBB弾に伝わらずに加速されません。
それを防ぐためにゴム製のチャンバーパッキンで気密を高めてエアーのロスを防ぐのです。
この気密を確保するのがチャンバーパッキンの2つ目の役割です。
3、ホップアップ効果
チャンバーパッキンの内部の上部には、突起が付けられています。
エアー圧によってBB弾がインナーバレルに押し出される時に、この突起を通過することでバックスピンがかけられます。
これが「ホップアップ効果」です。このバックスピンをかけられたBB弾には浮力が与えられるために、エアガンには30~50mほどの射程距離が可能なのです。
このBB弾のホップアップ効果を与えるのがチャンバーパッキンの3つ目の役目です。
そのため、チャンバーパッキンは別名「ホップパッキン」と呼ばれるのです。
チャンバーパッキンの種類について
ケースレス式エアガンが登場し始めた頃は、BB弾を真っ直ぐに飛ばすのには「無回転が最良の方法」だと信じられていました。
これは野球の変化球が意図的に回転を与えることによってカーブすることから、BB弾に回転を与えると曲がると思われていたためです。
しかし、どんなにマニアたちが試行錯誤してもBB弾に回転を与えずに飛ばすことは不可能だったのです。
何らかの要因により必ず回転が加わり、意図しない方にBB弾が曲がるのです。
逆転の発想がホップアップシステムを生んだ
そのような日々の中、一部の人たちが「どうせ回転が掛かるのを防げないなら、むしろ積極的に回転させてBB弾の曲がりをコントロールした方がいいんじゃねぇ?」と考え始めたのです。
そうして試行錯誤の結果として生まれたのが、正しいバックスピンを与えてBB弾を曲げずに射程距離を伸ばす現在のホップアップシステムなのです。
このホップアップシステムも様々なタイプが考案されており、その中から現在でも残っているだ評的なホップアップ形式をご案内します。
代表的なチャンバーパッキンの3タイプ
つまずき型ホップ
「つまずき型ホップ」とはBB弾を保持するパッキンとBB弾にホップ回転を与えるホップの突起が別に設けられているタイプのチャンバーパッキンです。
つまずき型ホップと呼ばれる所以は、エアー圧によって発射されたBB弾が、チャンバーの先に設けられたホップパッキンの突起にぶつかり、つまずくようにホップ回転が与えられるためです。
BB弾の加速過程でホップパッキンにぶつかるため初速が不安定になったり、
チャンバー抜弾時とホップパッキン通過時の2段階で回転がかかるために、
ホップ回転の不安定要素が加わりやすいため調整の難易度が上がりガチですが、シッカリと決まるとなかなかのグルーピングを見せてくれます。
このつまずき型ホップを採用しているのは、マルゼンのTYPE96系スナイパーライフルとか870系ショットガン、タナカワークスのペガサス系リボルバー、各社のリアルカート仕様にリボルバーに見られます。
ノズル保持型チャンバーパッキン
ノズル保持型チャンバーパッキンとは、BB弾を保持するチャンバーパッキンとホップ回転を与えるホップパッキンが一体になったタイプです。
BB弾の保持はシリンダーノズルとホップパッキンで挟むようになっています。
そのためにBB弾発射時にホップパッキンのみで回転が加わり、回転の不安定要因が皆無であり安定したホップ回転が与えられています。
いわゆる東京マルイのホップパッキン形式です。
現在の東京マルイの弾道性能の良さはこのノズル保持型チャンバーパッキンのお陰だと言っても過言ではないでしょう。
東京マルイのエアガン全般と、ウェスタンアームズのガスブロM4シリーズのブルズアイバレルに採用されています。
フラット型ホップ
フラット型ホップとは今般、エアガンのライトチューンユーザーの間で急速に支持を集めているチャンバーパッキンの形式です。
フラット型ホップが注目を集め始めた理由は、現在の銃口初速制限下でも、重量弾に十分なホップ回転が与えられるからです。
これはノズル保持型ホップが点押さえでホップ回転を与えるのに対して、フラット型ホップでは面押さえでBB弾とホップパッキンの接触面が長く保てるからです。
これが所謂面ホップと呼ばれるものです。
この面ホップの効果が重量弾を使用するスナイパーや流速チューンユーザーの人気となり、現在では欠かせないチャンバーパッキンとなりました。
2023年4月21日追記
R-HOPとは
R-HOPとはフラットホップをより発展させたカスタムチャンバーパッキンです。
ここからはR-HOPの特徴についてご紹介します。
飛距離アップに適したカスタムチャンバー:R-HOPの特徴
皆さんもR-HOPの特徴が気になりますよね。それでは、R-HOPのメリットを紹介しますね。
- 飛距離と精度がアップします:BB弾に与える回転が向上するので、飛距離と精度が上がります。
- より長い接触面があります:シリコンチューブをチャンバーパッキンに取り付けることで、もっと長い接触面ができて、BB弾に均一な回転が与えられます。
- 重いBB弾にも対応できます:遠距離射撃に適した重いBB弾でも大丈夫です。
- 調整や取り付けは難しいかもしれません:初心者にはちょっと難しいかもしれませんが、経験者のアドバイスをもらったり、専門ショップでやってもらうといいですよ。
R-HOPとフラットホップの違いとは
皆さんもR-HOPとフラットホップの違いが気になりますよね。
実は、R-HOPもフラットホップもBB弾とホップパッキンの接触面を浅く長くとることで、抜弾抵抗を抑えてホップ回転を増加させるというコンセプトは同じです。
そういった意味で、R-HOPはフラットホップの進化系とも言えるカスタムホップチャンバーですね。
ただ、違いがあるのは、R-HOPではインナーバレルのホップ窓に、インナーバレル内面と面一になるようにパッキンをはめ込んでいることです。
その上でチャンバーパッキンを被せ、上からホップアームで抑えるので、フラットホップよりもBB弾との接触面が増し、よりしっかりと長く安定したホップ回転を与えられるのです。
対して、フラットホップではチャンバーパッキン内部のホップ窓に接するところに薄いパッキンを張り付けているので、
抜弾抵抗はR-HOPよりも低くできますが、R-HOPほど均一にしっかりとしたホップはかかりにくいのです。
これがR-HOPとフラットホップとの違いなんですね。
R-HOPのメリット・デメリット
R-HOPには、いくつかのメリットとデメリットがあります。
まず、メリットから見ていきましょう。
メリット:
- 長い距離での安定した飛距離:R-HOPは、BB弾との接触面を増やすことで、長い距離での安定した飛距離を実現します。
- 均一なホップ回転:R-HOPは、フラットホップよりも均一なホップ回転を与えることができるため、より正確な射撃が可能です。
- カスタムチャンバーへの適用性:R-HOPは、様々なカスタムチャンバーに適用することができます。
デメリット:
- 取り付けが難しい:R-HOPの取り付けは、フラットホップに比べて難しく、正確な加工が必要です。一方、フラットホップは比較的簡単に取り付けることができます。
- 調整が繊細:R-HOPは、ホップアームの調整が繊細であり、微調整が重要です。対してフラットホップは、調整がやや容易で、初心者にも取り組みやすいです。
皆さんも、R-HOPのメリットとデメリットを知って、自分に合ったカスタムを選びたいですよね。
R-HOPは、飛距離や精度を重視する方にはおすすめですが、取り付けや調整が難しい点に注意が必要です。
一方、フラットホップは、取り付けや調整が比較的容易で、初心者にもオススメです。
フラットホップとR-HOPの違いを理解して、エアガンのチャンバーパッキンカスタムを楽しんでくださいね。
R-HOPとフラットホップの発祥
R-HOPは、アメリカのエアガン愛好家であるHS5(Hunterseeker5)さんによって考案されたようです。
正確な年代は特定できませんが、R-HOPが初めてエアガン愛好家たちの間で話題になったのは、2010年代初頭のこととされています。
彼は、従来のホップアップシステムの限界を突破し、飛距離と精度の向上を目指してR-HOPを開発しました。
R-HOPは、HS5さんがエアガンの飛距離と精度を追求する中で生まれたカスタムホップチャンバーであり、エアガン愛好家たちに高い評価を受けています。
フラットホップの発祥
フラットホップの発祥についてははっきりとは分かりません。
私が初めて「フラットホップ」という用語と出会ったのは、GAWインターナショナルのバレット石岡氏が運営していたサイト「ガンジニア」を見た時です。
このサイトでの記事では「フラットホップはオープンソースの技術で誰でも利用可能」という風に書いてあった記憶があります。
また、フラットホップを搭載したエアガンとしてKTWの製品の低伸弾道と命中精度の高さを評価していた気がします。
エアガンチューナーにとって「ガンジニア」は宝物のような記事の宝庫だったのですが、この3月に閉鎖されたのは惜しい限りです。
R-HOP カスタムチャンバーパッキンを導入するには
R-HOPカスタムチャンバーパッキンに興味がわいてきたけれど、自分で組み込める自信がないと感じている方も多いことでしょう。
そんな皆さんに朗報です!簡単にR-HOPカスタムチャンバーパッキンを導入できるTR-HOPパッキンというアイテムがあるんです。
これから、そのTR-HOPパッキンの魅力的な特徴をご紹介していきますね。
TR-HOPパッキンの特徴
この素晴らしいキットには、TR-HOP ホップパッキン、TALON MK-1チャンバー、そしてS+ Double I/D AC精密インナーバレルが付属。
TALON MK-1チャンバーは、ワンピースチャンバーベースと全パーツのCNC切削加工が特徴で、驚くべき35段階の調整可能なHOPレバーが搭載されています。
さらに、素早いHOP調整が可能なクイックアジャストバーがアウターバレル側面に配置されており、純正準拠設計です。
S+ Double I/D AC精密インナーバレルは、BB弾をより中心に近く配置することで、摩擦抵抗を軽減し、飛距離や弾道の安定化に寄与しています。
さらに、LDRホップパッキンと併用することで、飛翔距離の長距離化と弾道の安定化が実現できます。
そして、TR-HOPパッキンは、T-HOPパッキンをベースに、BB弾上面への接触面をさらに増加させたR-HOPの長所を採り入れたホップパッキンで、組立・調整・交換がシンプルで、
他社製品のR-HOP導入時の加工・調整作業を必要とせず、ダイレクトにインストールが可能となっています。
ただし、このキットは上級者向けですので、エアガンの分解・組立技術が必要となります。
あなたのエアガンスキルを自信を持ってアピールし、更なる飛躍を目指しましょう!この機会をお見逃しなく!
チャンバーパッキンの硬度による違いとは?
チャンバーパッキンは硬さによってホップ回転の掛り具合が違ってきます。
柔らかいチャンバーパッキンではホップ回転が掛かりにくい反面、抜弾抵抗が低めでホップパッキン通過時の初速低下が少なめです。
つまり、初速規制により低めの日本製エアガンに柔らかめのチャンバーパッキンが標準で装着されているのはこのためです。
逆に硬めのチャンバーパッキンでは、ホップ回転が掛かりやすい反面、摩擦による抜弾抵抗が高く、ホップパッキンによる初速低下が大きめです。
重量弾を使って射程距離を伸ばすカスタムスナイパーライフルに、硬めのチャンバーパッキンが使用されるのはこのためです。
また重量弾を高初速で撃ち出す海外製エアガンのチャンバーパッキンが硬めなのも同じ理由によるものです。
チャンバーパッキンと温度の関係
ホップパッキンをBB弾が通過するたびにホップパッキンは摩擦熱で柔らかくなります。
スナイパーライフルのゼロイン調整時に、連続して撃ち続けた場合に着弾点が下がるのは、ホップパッキンが摩擦熱で柔らかくなって、ホップ回転が掛かりにくくなるためです。
このことから、気温の高い夏場では、いつもよりも硬めのパッキンを、逆に気温低下でチャンバーパッキンのゴムが硬くなりがちな冬には、ホップ回転が掛かりすぎないように柔らかめのチャンバーパッキンがおすすめでしょう。
チャンバーパッキンの素材による違い
東京マルイの純正のチャンバーパッキンにはニトリルゴムという素材が使用されています。
それに対して各サードメーカーから販売されているカスタムチャンバーパッキンではシリコンゴム製がメインです。
これはニトリルゴムよりもシリコンゴムのほうが摩擦力が高く、ホップ回転がBB弾にかかりやすいためです。
同じようなデザインのホップチャンバーでも、東京マルイの純正チャンバーパッキンより、サードパーティー製のカスタムチャンバーパッキンのほうが、弾道特性が上がりやすいのはこの素材の違いによるものです。
エアガンの初速を安定させるチャンバーパッキンの調整法とは
エアガンの初速のバラつきを押さえて安定させる調整方法は、チャンバーパッキンの気密性を上げるのが基本です。
どんな高価なカスタムインナーバレルに替えても、このチャンバーパッキンの気密取りがお粗末だと初速の安定性は保てません。
これは電動ガンやガスブロ、エアコッキングなどのエアガン全般に言える基本的な調整方法です。
この調整法をチャンバーパッキンのエアシール効果と呼びます。この気密取りの調整法には2つの方法がります。
1、オイルシール法
インナーバレルにチャンバーパッキンを組み込む時には、潤滑剤としてシリコンオイルをインナーバレルに吹き付けて、チャンバーパッキンを組み込みます。
この潤滑剤に使用するシリコンオイルをグリスに替えるだけでチャンバーパッキンの気密性は上がります。
更にその上から水道やガス工事で使うシールテープをきつく伸ばしながら巻き付けて補強すれば、初速が3m/sほど上がり、初速のばらつきも1~2m/sの範囲で納まりやすくなります。
この気密取りの方法は、初速アップよりも初速のバラつきを押さえることに意味があります。
初速のバラつきを押さえた結果、弾道と着弾点がまとまりやすくなるので、サバゲーでの撃ち合いで勝ちやすい銃に仕上がるでしょう。
2、カスタムチャンバーパッキンへの交換
チャンバーパッキンの気密取りのもう一つの調整法が、各サードパーティーから発売されいるエアシール効果を謳ったカスタムチャンバーパッキンへの交換です。
この方法では電動ガンとガスブロ・エアコッキングライフルとでは、若干の調整法の違いが出てきます。
気密性の向上を売りにしたカスタムチャンバーパッキンがネットで探せば見つかるので、それらのカスタムパーツをお探しください。
ガスブロやエアコキライフルの場合には、カスタムチャンバーに交換してシールテープやグリスでシーリングすればいいのでしょう。
しかし、スタンダードM4系電動ガンの場合には、チャンバーパッキンだけでなく、純正のホップアップチャンバーからカスタム品のメタル製ホップアップチャンバーへの交換がおすすめです。
各メーカーのカスタムチャンバーをお探しください。
エアガンに50~60mの射程距離を与えるチャンバーパッキンの調整方法とは?
エアガンに50~60mの射程距離を与えるチャンバーパッキンの調整法とは、面ホップ形式のチャンバーパッキンと押さえゴムの交換です。
1、面ホップ形式のチャンバーパッキンとは
面ホップ形式のチャンバーパッキンとは、ホップパッキンが横一線のマルイ形式ではなく、縦長の面形式になっているものです。
当然、横一線のホップよりもホップパッキンとBB弾の接触面が長いため、押さえる力が小さくとも、長くホップが掛かるのでBB弾に十分な回転が加わります。
これは何を意味するかというと、ホップ押さえによる初速低下が少なく、なおかつ重量弾でも十分なホップアップ効果が与えられるという意味です。
この効果を最大限に射程アップに振ったものが「流速チューン」です。
一般のエアガンユーザーには、流速チューンほどの手をかけなくても、チャンバーパッキンを純正からカスタムの面ホップ形式に交換するだけでも十分な飛距離が望めます。
2、チャンバーパッキンの押しゴム交換
面ホップ形式の効果を引き出すためには、チャンバーパッキンの交換するだけでは不十分です。
面ホップ形式の効果はチャンバーパッキンの押しゴムを面押さえのタイプに交換してこそ引き出せるのです。
このチャンバーパッキンの押しゴムには2つのタイプがあります。
一つはHタイプと呼ばれる製品で、両サイドをホップで押さえて弾道を安定させるものです。
もう一つのタイプがファイアーフライの「電気ナマズ」に代表される押しゴム自体が長押しタイプになっているものです。
これらの押しゴムとチャンバーパッキンの組み合わせをけるだけで、ご自身の希望する弾道に近づけられるでしょう。
エアガンのライトチューンにおすすめのチャンバーパッキン&押しゴム
引用元:https://youtu.be/syEcwLtsoQ0
ここまでエアガンのチャンバーパッキンと調整法をご案内してきましたが、実際が理想とする弾道に近づけてくれるチャンバーパッキンを探すのは、なかなか大変です。
そこでこれまで老兵ijirareが経験したなかでおすすめのチャンバーパッキンと押しゴムをご紹介します。
1、東京マルイ 純正チャンバーパッキン(ガス、コッキング、電動ガン用)
最初にご紹介するのは東京マルイの純正チャンバーパッキンです。チャンバーパッキンの特性やセッティング方法を肌で理解するには欠かせない存在です。コストも安く入手もしやすいので、チャンバーパッキンの調整にトライしたい初心者の方は、まずこの東京マルイのチャンバーパッキンで慣れてからにしましょう。
何故なら、基本となる東京マルイのチャンバーパッキンの性能を基準としてしておいた方が、カスタムチャンバーパッキンにチャレンジしたほうが、カスタム品と純正品の弾道特性や集弾性の違いが理解しやすくなるからです。
2、ファイアーフライ「電気うましか」(電動ガン用)
ファイアーフライの「電気うましか」は、VSR用カスタムチャンバーパッキンの「うましか」を電動ガン用に改良したものです。
ホップパッキンに形状は中央にスリットの入った「Vパッキン」に属するタイプです。
このVパッキンというのは、BB弾を保持する時にスリットから左右に広がって、BB弾を2点で保持するように広がります。
そのためチャンバー内でBB弾がセンターに位置しやすく、弾道のブレが少なくなります。
「電気うましか」には集弾性重視の「漬け」と射程距離伸長重視の「大トロ」があり、その間に「赤身」「中トロ」といったパッキンの硬さを変えてBB弾の重量に対応させたタイプが揃っています。
「元気うましか」の性能を一番に引き出すのは同社の「カッパバレル」というカスタムインナーバレルなのですが、東京マルイの純正バレルでも装着可能です。
ただ、東京マルイの純正バレルを使う時には、ホップ窓を広げる加工をした方が効果的でしょう。
「電気うましか」に合う押しゴム
「電気うましか」におすすめの押しゴムは、同じファイアーフライの「電気ナマズ」でしょう。
電気ナマズは電動ガンの長掛けホップ用の押しゴムとして嚆矢の製品です。
今般流通している長押しタイプの押しゴムは全てこの「電気ナマズ」からインスピレーションを受けた製品といっても差し支えないでしょう。
この「電気ナマズ」も東京マルイの純正バレルで使用する場合には、ホップ窓の長さに合わせて現物合わせでカットしなければならない場合もあります。
3、宮川ゴム「長掛け ミドル シリコン製+専用押しゴム」(電動ガン用)
今般、エアガンカスタムユーザーの間で支持を集めている新進気鋭のパッキンメーカーのカスタムチャンバーパッキンです。
サバゲー好きのゴム制作会社の社長が作ったと言うだけあって、ユーザーが望む「痒いところに手が届く」と言っても良いような製品がラインナップされています。
ご紹介する製品は、電動ガンの長掛けホップ用のチャンバーパッキンで専用の押しゴムも付属しています。
ビギナーにも取り付けやすいので、チャレンジされてはいかがでしょうか。
4、ファイアーフライ「うましか」&「うましかの腕」(VSR10用)
スナイパーライフルの定番である東京マルイVSR10用の長掛けチャンバーパッキンとホップアームです。
この2つのアイテムを導入することで、VSR10が長掛けホップのスナイパーライフルに変身します。
フィールドによっては最大射程60mも可能でしょう。ただし、トレードオフとして3つの注意点があります。
1、ホップ調整の幅が狭くなりピーキーな銃になること
2、重量弾を使用してもホップが利きすぎること
3、純正バレルに装着する際には、ホップ窓を広げる加工が望ましいこと
これらの注意点を克服すれば、最高のスナイパーライフルに仕上がるでしょう。
5、ファイアーフライ「風の谷のうましか」(東京マルイM40A5用)
東京マルイの一番新しいスナイパーライフル(と言っても発売から既に5年は立っているが)であるM40A5に「うましか」と併用して使うホップエベレーションです。
東京マルイのM40A5をフラットホップ化したい人におすすめです。
6、ガスガン用チャンバーパッキンについて
ガスブローバック用チャンバーパッキンはボルトアクション用チャンバーパッキンと共有になっています。
そして「LAYLAX」「ファイアーフライ」「KM企画」という名だたるサードメーカーから発売されています。
それらの中からお好みのチャンバーパッキンをチョイスされればいいでしょう。
チャンバーパッキン調整法のまとめ
今回はノーマルのエアガンに少し手を加えるだけでお手軽にスペックがアップする調整法としてチャンバーパッキンの調整をご紹介しました。
エアガンチューンとしては比較的難易度が低く、なおかつコストパフォーマンスも高いこの調整法で、理想とする弾道や集弾性にチャレンジされてはいかがでしょうか。