【サイクル、飛距離低下】冬サバゲーでの電動ガン劣化の原因と対処法

電動ガン入門

Ijirareが初めて本格的な冬時期のサバゲーに参加した時に、それまでとは違ったスペックの低下を感じた覚えがあります。

それは、初速の低下、短くなった射程距離、連射サイクルが遅く感じる、といったものです。

それまでの暖かい時期では起きなかった症状に、「オレの電動ガン、壊れた?」と不安になりましたが、

これらは電動ガンに起きる冬特有の症状なのです。

今回は、この冬に起きる電動ガンの症状についての説明と、対処法についてご案内します。

冬の気温低下は電動ガンにどんな影響を及ぼすのか

アメリカ兵

アメリカ兵

画像出典:https://pixabay.com/ja/photos/%E5%85%B5%E5%A3%AB-%E3%83%9F%E3%83%AA%E3%82%BF%E3%83%AA%E3%83%BC-%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB-1014/

冬の気温低下がエアガンに及ぼす影響と言えば、皆さんが真っ先に思い浮かべるのがガスガンのマガジンに対する影響でしょう。

ご承知のように、ガスガンはマガジンが冷えているとガスが気化せずにBB弾を発射できません。

しかし、冬の気温低下が影響を及ぼすのはガスガンばかりではなく、電動ガンやエアコッキングガンにも初速低下や弾道に影響を及ぼします。

これは、エアガン内部のホップパッキンはシリンダー内のグリスが気温低下に影響を受けるからです。これらの影響についてご説明をしながら、それに対する対処法もご紹介したいと思います。

冬の気温低下がホップパッキンに及ぼす影響とは?

ガス、電動、エアコキの違いに関わらず、一部の競技用を除いたほとんどのエアガンにはゴム製のホップパッキンが付いています。このホップパッキンが気温低下によって受ける影響がゴムの硬化です。

こう書くと「ゴムが固くなると何が困るんだ?」と大方の人は思うでしょう。そうなんです、ゴムがただ硬いだけならあまり影響は考えなくても済むのです。

硬ければ硬いなりにホップ調整をすれば済むことですから。

では何が問題なのか?結論を言うと、このゴムの硬さが発射弾数に応じて硬さに変化が起こるからです。

ホップパッキンの硬さが変わるとサバゲーで何が困るのか?

アメリカ兵

アメリカ兵

画像出典:https://pixabay.com/ja/photos/%E6%88%A6%E4%BA%89-%E7%A0%82%E6%BC%A0-%E9%8A%83-gunshow-1447004/

皆さん、こんな経験はありませんか?冬のサバゲーでゲーム開始前にホップ調整をしますよね。

このホップ調整で適正な弾道に設定したのにもかかわらず、いざゲーム中に初弾を撃つとノンホップのような弾道になって慌てたという経験です。

しかも、最初はノンホップのような弾道だったのに、BB弾を数多く撃つうちに、だんだんとゲーム前に調整した弾道に戻っていって、最初の弾道は何だったのか?と不思議に感じてしまったことです。

これがホップパッキンの硬さが変わることによる弾道への影響です。

ホップが固くなるとなぜ初速が下がるのか?

https://twitter.com/QXPsbVmuFOjIaaJ/status/1200439313055408130

ホップパッキンが寒さから受ける影響と結果についてもう少し掘り下げてご説明します。

まず、真冬の気温が低い場合、ホップパッキンはいつもよりも固くなります。ホップが固くなるとBB弾がホップパッキンを通過する際の抵抗が上がります。(これを”抜弾抵抗”といいます)

つまり、いつもと同じエアー圧で撃ち出されたとしても、硬いホップパッキンによって抵抗がかかりBB弾の初速が落ちるのです。これが、冬にBB弾の初速が低下する理由です。

冬サバゲーで初弾の弾道がホップ調整どおりに飛ばない理由とは?

ホップパッキンが固くなることで初速が低くなる理由はご理解いただけたと思います。

それでも、先ほども述べたように固くなったなら、なったなりにホップの調整をすれば問題はないように思いますよね。しかし、それほど物事は単純ではないのです。

何故なら、気温の低下で当初は硬くなっていたホップパッキンが、BB弾を撃ち出す度にBB弾とホップパッキンとの摩擦熱によって段々と柔らかくなっていくのです。

その結果、ホップパッキンによる抜弾抵抗が低くなり、撃ち出されたBB弾の初速低下も緩和されます。

そのため通常の初速に戻るので弾道や射程距離にバラつきが発生するのです。

これが冬サバゲーでゲーム前にホップ調整をしていても、ゲーム中の初弾で調整どおりの弾道が出ない理由です。

冬サバゲーでホップを安定させる調整法1(セミ主体やスナイパー向き)

では、この症状に対する対処法はどうすれば良いのでしょうか?その対処法は2通りのパターンが考えられます。

まず1つ目は、冬の間だけホップパッキンをいつもよりも柔らかめのものに換えることです。この方法はあまり弾数を撃たない人や、初弾の命中精度を重視するスナイパーにおすすめです。

何故なら、夏よりも柔らかいパッキンであるため、フルオートで多弾数を撃つと摩擦熱によりパッキンが柔らかくなりすぎて、ホップのかかりが極端に悪くなり、安定した弾道が得られなくなるからです。

冬サバゲーでホップを安定させる調整法2(弾幕戦が主体のガンナー向き)

もう一つの調整法は1に比べてとても簡単です。

何故なら、フルオートで撃ち続けることでホップパッキンの硬さを摩擦熱で柔らかく戻すという方法だからです。

つまり、初弾の命中精度や、なるべく音をたてずにセミオート主体で戦うことにこだわらない、ガンナータイプの方に向いているのです。

弾幕主体の戦い方なら、初弾から数十発の弾道がいつもどおりでなくとも、弾幕を貼るうちにいつもの弾道に戻るからです。

このガンナータイプの戦い方を好む人は、ホップパッキンの交換よりも、多くのBB弾を撃ち出すことが効果的でしょう。

冬サバゲーでエアガンの初速を下げるもう一つの原因とは?

冬サバゲーでエアガンの初速を下げる原因として、ホップパッキンの硬化による抜弾抵抗の増加を説明しましたが、実は原因がもう一つあります。

それが”シリンダー内のグリスの硬化”による摩擦の増加です。

実は冬サバゲーでエアガンの初速が下がる原因は、この2つの原因の相乗効果によるものです。そこで、このグリスの硬化についてご説明します。

冬にピストンの前進スピードが遅くなる理由とは?

https://twitter.com/god_papasan/status/1197007022622818304

皆さんのお家の冷蔵庫にあるマーガリンやバター、ラードを思い浮かべてください。冷えている時には固形状ですが、熱すれば溶けて液状になりますよね。

これと同じでエアガンに使われているグリスも気温が下がると硬化して流動性が悪くなり、シリンダー内のピストンの前進に対して抵抗が増します。

冬にエアガンの初速が低くなるのは、夏場に比べてシリンダー内のグリスの流動性が悪くなってピストンの前進スピードが遅くなるからです。

冬サバゲーでのグリス硬化への対応策とは?

冬サバゲーでのグリス硬化に対する対処法は、シリンダー内のグリスを粘性の低い物にかえることです。

東京マルイのシリンダー、ピストン用のグリスは意外に粘性が高いのです。そこで、他の粘性の高いシリコングリスに塗り替えるのが一番の対処法でしょう。

しかし、これには自分で電動ガンのメカボックスをバラして組み上げるというハードルがあります。

そのため、この記事を読んでいるアナタが、初心者で自分でメカボックスまで分解調整するのはまだ無理!と思うなら、メカボックスのメンテができる人に頼むという手もあります。

ただ、ホップパッキンのときと同様に、シリンダー内のグリスもピストンが可動するうちに熱を帯びて、シリコングリスの流動性も元に戻るので、

自分でメンテする自信のない人は、あえて何もせずにグリスの流動性が戻るのを待つという選択肢もあります。

冬サバゲーでの電動ガン用バッテリーの弱点とは?

https://twitter.com/kondogchan/status/1202210557044019203

現在の東京マルイの電動ガンは、ニッケル水素バッテリーでの作動が前提となっています。しかし、冬の気温低下はこの電動ガン用ニッケル水素バッテリーにも影響を与えます。

その代表的な症状が「サイクルの低下」「パンチ力の低下」「放電量の低下」です。

現在、ニッケル水素バッテリーが電動ガン用バッテリーの主流になった理由は、バッテリー容量の多さと気軽に追い充電ができる手軽さにあります。

その反面、自然放電が早く、定期的に追い充電をしないと、直ぐにバッテリーが死んでしまいます。

また、ニッケル水素バッテリーは外気温が低くなると、極端に出力が低下する性質があるのです。これが、「サイクル低下」と「パンチ力の不足による初速低下」を引き起こすのです。

冬のバッテリー出力低下への対処法1,

ニッケル水素バッテリーは一定の温度以下になると極端に出力が低下することは先にお伝えしました。

ということは、常温を維持してやると通常の出力を維持できるのです。

そのため、冬サバゲーでは、複数の電動ガン用のバッテリーを用意して、サイクル低下やパンチ力の不足を感じ始めたなら、次のバッテリーと入れ替えて常温に戻るように温めてあげてください。

この方法で通常に近いバッテリー出力に回復できます。

冬のバッテリー出力低下への対処法2

もう一つの対処法は温度低下に影響されないバッテリーを使用することです。

ニッケル水素バッテリーは気温の低下に影響を受けますが、気温低下の影響を受けないバッテリーがあります。

それがいまニッケル水素バッテリーから主流になりつつある「リチウムポリマーバッテリー」、いわゆるリポバッテリーです。

リポバッテリーはパンチ力がある反面、扱い方が悪いと発火すると言われていますが、近年のリポバッテリーは管理さえシッカリとしておけば発火することはまずありません。

既に海外製電動ガンの大半はリポバッテリーで駆動する仕様になっています。

東京マルイの次世代電動ガンM4A1 SOPMODはニッケル水素バッテリーで動かすと、持病のトリガーロックを引き起こすことがありますが、リポバッテリーで駆動させると、この持病も影を潜めることは周知の事柄です。

これからの寒い季節に電動ガンを購入する人は、このリポバッテリーもセットで購入するという選択肢もあります。

冬サバゲーでの電動ガンの弱点についてのまとめ

今回は寒い時期の電動ガンに現れる症状についてご説明しました。

Ijirareも初めて冬のサバゲーに参加した時に、射程距離が短い、連射サイクルが遅いという症状に戸惑ったものです。

しかし、グリス、パッキン、バッテリーの特性と低温化による影響を理解すると、自ずと対処法に気づいて対応できるようになったものです。

この記事をご覧の初めて冬サバゲーを迎える初心者の方も、ここで挙げた症状を感じた時は、慌てず冷静に対処してください。

 

タイトルとURLをコピーしました