はじめにーハイキャパを使ったリアルな感想をお伝えします。
東京マルイのハイキャパと言えば、数多いガスブローバックハンドガンの中でもダントツの人気を誇る製品です。
2004年に発売されたモデルにもかかわらず、現在でもハイキャパを愛用するサバゲーマーはフィールドに溢れており、
ijirareもサバゲーでのサイドアーム(主にハンドガンを意味します)に東京マルイのハイキャパ4.3を使っていました。
これほど人気の高いハンドガンなのでネット上でも解説する記事は数多あります。
そこで、今回はijirareがハイキャパを使ってリアルに感じたことを中心に、他では書かれていないハイキャパの魅力をご紹介したいと思います。
東京マルイハイキャパの基本:5.1から4.3が生まれた理由とは
東京マルイのハイキャパは、2004年に誕生した5.1モデルが全ての始まりになります。
この年に発売されたハイキャパ5.1は、サバゲー用ハンドガンというよりもシューティング競技のレースガン的な趣が強い仕上がりになっていました。
それを物語るのが微細な調整に向いているボーマータイプのリアサイトや、
素早いマガジンチェンジを目的としたロングマガジンキャッチボタン、
左右のどちらの手でも操作できるアンビセフティーです。
これらのパーツはシューティングマッチには使いやすかったのですが、ハードに動き回るサバゲーには向いていないパーツもあったのです。
その代表的なものが「ロングマガジンキャッチボタン」です。
この長いマガジンキャッチボタンはマッチ用にはいいのですが、
動き回るサバゲーで使うと気づかないうちにボタンに身体が触れてしまいマガジンを紛失する例が後をたたなかったのです。
そこで、5.1を元にしてサバゲーに向いたハイキャパとしてデザインされたのが4.3であり、モデル名も「タクティカルカスタム」と名付けられたのです。
ハイキャパ5.1にサバゲーマーが抱いた不満とは?
ハイキャパ5.1は発売と同時にサバゲーマーたちから熱狂的な支持を受けました。
その理由は価格の割にスペックが高く使いやすいというコストパフォーマンスによるものです。
しかし、ハイキャパ5.1に不満が全くなかったわけではありません。
前述したマガジンキャッチボタンの長さや、ホルスターから抜いた際に引っかかりやすいボーマータイプのサイト以外にも不満点はあります。
クイックドローには少し長いスライドのサイズ、付属パーツを付けなければライトを装着できないなどです。
そこで東京マルイはこれらの不満点を改良して出したのがハイキャパ4.3モデルです。
ハイキャパ4.3が5.1から進化したところとは?
ハイキャパ5.1と4.3の一番の違いはサイズです。
まずスライドを短くしたことによりホルスターからのドローがやりやすくなりました。
またグリップも5.1よりも長さを詰めたので、腰に装備したときに他のポーチ類と干渉することも少なくなりました。
さらにトリガーガード全部のフレームを延長して、ダストカバー兼アンダーレイルとしたことで無加工でウェポンライトの装着が可能になったのです。
この改良点はインドアフィールドでライトを装着したい人にとっては大切なポイントになるはずです。
ijirareも5.1と4.3のどちらを選ぶか迷った時に、このダストカバー兼レイルが4.3を選ぶ決め手となりました。
それ以外でもマガジンキャッチボタンを短くしてマガジンの紛失を防いだり、リアサイトもより実戦的なノバックサイトに置き換えられています。
これらがサバゲー向きに仕上げられたハイキャパ4.3の改良点です。
サバゲー初心者でハンドガンの扱いにまだ慣れていない人でも、ハイキャパ4.3は頼もしい相棒になってくれます。
サバゲーにはハイキャパ4.3が一押しだが他のモデルはどうなのか?
ijirareの個人的な感想としてはハイキャパシリーズで一番サバゲー向きなのは4.3だと思っているのですが、ハンドガンの使い勝手というものは人によって違ってきます。
ハイキャパには5.1と4.3以外にも電動ハンドガン、シューティングマッチ仕様、そしてフルオートオンリーのモデルがあります。
そこで他のハイキャパシリーズの特徴をご説明しながら、サバゲーでの使いやすさについてご案内します。
バリエーション1、ハイキャパE電動ハンドガン
4.3の次にサバゲー用ハンドガンとしておすすめしたいのが電動ハンドガンである「ハイキャパE」です。
特に冬用のハンドガンを探しているサバゲー初心者のかたにおすすめです。
電動ハンドガンのイメージは「スライドが動かないのでリアリティーに欠ける」、
あるいは「外見のデザインが違うだけで中身は他と同じでつまらない!」と思っている方も多いでしょう。
しかし電動ハンドガンには今挙げたマイナーなイメージを補って余りあるメリットが多数あります。
ハイキャパEの特徴とメリット
ハイキャパEの特徴はパワーソースがガスではなく、エアガン本体に内蔵されたメカボックスからの圧縮エアーであることです。
そのため、一年中安定した初速を出してくれて、外気温による弾道の変化がありません。
また、ランニングコストもバッテリーに充電する電気代だけなので、価格が上がり続けるエアガン用ガスを使うよりもかなり安く済みます。
揃えなけらばならない初期装備品の数が多いサバゲー初心者にとっては、
電動ハンドガンの一年を通した安定性とランニングコストの安さを思えば、ハンドガン選びの条件を満たしていると言えます。
バリエーション2、ハイキャパ5.1ゴールドマッチ
東京マルイのハイキャパ5.1ゴールドマッチは各所のゴールドの配色を施した絢爛豪華なハンドガンです。
軽量化のためにスライドに空けられたポートから見えるゴールドのアウターバレル、
同じくゴールドにカラーリングされた、左右のどちらからでも操作できるアンビデクストラス・セフティーやトリガーなど、レースガンに相応しいデザインです。
しかしながらこの絢爛豪華さはレース用には向いていますが、サバゲー用としてはいささか疑問符が付きます。
ハイキャパ・ゴールドマッチはサバゲー向きか?
サバゲーに参加した経験がある方には当然のことなのですが、
ヘヴィーデューティーであるサバゲでは、ハンドガンに求められる第一条件は「高い耐久性」です。
かたやレースガンに求められる条件は「パワー」「スピード」「アキュラシー(精度)」です。
ハイキャパ・ゴールドマッチはスペックの面から見ると、ハイキャパシリーズの中でもダントツの高さを持っています。
そして販売価格も全モデルの中で一番高くなっています。
そのため、サバゲーでも高い戦闘力を見せてはくれますが、いささかオーバースペックでコストパフォーマンス的にも効果的とは言えません。
しかしながら、このハイキャパ・ゴールドマッチは、
シューティングマッチとサバゲーの両方をゴールドマッチ一丁で楽しみたいという人には、4.3や5.1を凌ぐメリットを与えてくれるモデルだと言えます。
バリエーション3、ハイキャパD.O.R
ハイキャパD.O.Rは2019年4月に発売されたハイキャパシリーズとしては最新のモデルです。
最大の特徴は、スライドのリアサイトを外して、光学サイトをスライドに直付けできるようになったことでしょう。
そのためにスライド内部のブローバックエンジンにも大きな変更を施しています。
この光学サイト直付けの目的は、従来のハンドガンのサイティングの難しさ改善して、
より狙いやすいハンドガンで、シューティングマッチやサバゲーをユーザーに楽しんでもらうというものでしょう。
ハイキャパD.O.Rはサバゲーでの実戦に耐えられるのか?
光学サイトをハンドガンのスライドに直付けした場合、オープンサイトとは比べ物にならないほど狙いやすさが向上します。
しかし、一つだけ不安が付きまとうのです。それは耐久性についてです。
なぜならこの形状のサイトシステムは、シューティングマッチから生まれたもので、他のドットサイトやホロサイトのように実戦でのタイムプルーフがなされていません。
これはサバゲーでも同様で、
スライドから突き出たマイクロドットサイトが実戦中に外れないか?
途中で故障しないか?
故障したときのリカバリーはどうすればいいのか?
と言った不安が解消されるまでは、シューティングマッチ用と割り切ったほうが無難です。
しかし裏を返せば 、ハードな扱いをあまりしないインドア戦やアウトドアのハンドガン戦でこの光学サイトを直付けした使いやすさは、オープンサイトで戦う他の人よりも圧倒的なアドバンスになります。
オープンサイトを使う戦い方に慣れていないサバゲー初心者の方には試す価値があるモデルでしょう。
ハイキャパのカスタムパーツ選びとは?
東京マルイのハイキャパシリーズには数多くのカスタムパーツが販売されており、カスタムに慣れていない人から見ればどれを選べばいいのか?と迷うほどです。
この選び方の時に忘れてはいけないのが「自分が目指すカスタムの方向性」です。
ハイキャパには派手なカスタムスライドやロングアウターバレル、
カラーリングの施されたプラフレームがあり、
ともすればそういった派手なパーツに目を奪われがちです。
そういった派手なパーツ類に惑わされることなく、自分の方向性に合ったパーツを選んでください。
ハイキャパカスタムの方向ードレスアップと操作性の向上
電動ガンカスタムの場合には、内部チューンと外装系ドレスアップはハッキリとセパレートされています。
しかしガスガンの場合には、ドレスアップ=操作性の向上ということも珍しくありません。
またカスタムスライドにおいても軽量化によるブローバックスピードの向上や、
ロングスライドのサイトラインの延長によってもたらされる命中精度のアップなど、
外観と使いやすさの向上が両立しているものも多数あります。
そういったいくつかのパーツをここでご紹介します。
おすすめパーツ1、ロングスライドストップレバー&アンビセフティー
おすすめパーツの一つ目はロングスライドストップレバーとアンビセフティーです。
この2つはともにハンドガンの操作性を向上させながら、ドレスアップもしてくれるものです。
ijirareが4.3を使っていた時に唯一抱いた不満点が、4.3のセフティーがアンビセイフティーではなかったことです。
また、不満というほどではないのですが、「スライドストップもロングだとカッコいいなぁ~」と思ったものです。
こういったドレスアップと操作性を両立してくれるカスタムパーツは積極的に取り入れるべきでしょう。
おすすめパーツ2、マガジンウェル
おすすめのパーツの2つ目はマガジンウェルです。
マガジンウェルとはマガジンの挿入口の角をラッパ状にカットしてマガジンを挿入しやすくしたものです。
このマガジンの挿入口の角をカットするという概念を初めて日本に広めたのは伝説のボブ・チャウ・スペシャルでしょう。
それをさらに発展させたのがジム・ボランドの45カスタムです。
いずれも1980年代半ばのことです。
現在のマガジンウェルはこのボランドカスタムのデザインを応用したものと言えます。
見た目の派手さはありませんが、マガジンウェルを装着することで、確実にマガジンチェンジのスピードはアップします。
東京マルイハイキャパシリーズの問題点
東京マルイのハイキャパシリーズはコストパフォーマンスの高さと使いやすさ、カスタムパーツの豊富さでサバゲーマーはマッチシューターから高い支持を受けています。
しかし、問題点がないわけではありません。その一つがBB弾との相性です。
ijirareが使っていた時のハイキャパ4.3にはBB弾を選ぶと傾向がありました。
東京マルイ製のBB弾では問題なしでしたが、他社のBB弾を使った時にはマガジン内のBB弾が上がらないという現象が見かけられました。
現在は改良されているかもしれませんが、弾上がりが悪い時には東京マルイのBB弾に替えられたらいかがでしょうか。
もう一つの問題点がCQCホルスターとの相性です。
ガバメントタイプの5.1では問題ありませんが、フレームにダストカバーが付いている4.3ではサイズがあうCQCホルスターが少ないのです。
もしハイキャパ4.3用のCQCホルスターが見つからない時にはユニバーサルホルスターで対応する必要があります。
東京マルイのハイキャパシリーズのまとめ
今回はサバゲーで使っていた経験と感想をもとにハイキャパシリーズをご案内しました。
ハイキャパ5.1と4.3の関係は、グロック17とグロック19の関係に似ています。
同じ口径でありながら、全体的にサイズをシュリンクしてハンドリングと携帯性を向上したグロック19は、
今ではグロックシリーズの中でも一番の人気を誇る成功を成し遂げています。
それと同様にハイキャパも使いやすさという点では4.3に分が上がりますが、カスタムパーツの数では5.1のほうが上回ります。
これらの特徴を捉えながらどちらを選ぶかはユーザー次第でしょう。ただ、どちらを選んでも後悔することはないことは断言できます。