スナイパー初心者の皆さん、ライフルに載せたスコープのゼロインで悩んでいませんか?「スコープを載せたのに、レティクルの中心に弾が飛んでいかない(´;ω;`)」と悩む方も多いでしょう。そういった方の大半は、ただ単にライフルにスコープを載せて撃っている方が多いようです。
ライフルスコープのゼロインは、銃にスコープを載せるセッティングと狙点を調整するゼロインの2つで成り立っています。今回は、ライフルスコープのゼロインが上手くいかなくて悩む人向けに、前段階のセッティングと、狙点調整のゼロインについてご案内します。
スコープで狙った所に飛んでいかないのはなぜか?
スコープのクロスヘア(レティクルの交わる中心点)にBB弾が飛んでいかないのは、2つのケースがあります。その1つはBB弾が途中で曲がるケースです。これはホップの掛り具合が原因であるため、スコープのセッティングやゼロインとは関係がありません。この場合にはホップの当たり具合を調整する方が良いでしょう。
2つ目は、スコープの縦のレティクルに対して曲がらず一直線に狙点以外に飛んでいくケースです。これはスコープが銃に正しくマウントされていないために起こる現象です。こういった弾道のズレ方をする場合は、スコープを正しく載せてやることで、ゼロインが決まるようになります。そこでまず、ゼロインの前のスコープのセッティングについてご説明します。
ライフルスコープのセッティングに欠かせない3つの条件
ライフルスコープのゼロインをするためには3つの欠かせない条件があります。いわゆるスコープを載せるためのセッティングと呼ばれるものです。
ライフルスコープのセッティング3つの条件
・マウントリングの精度
・ライフルを垂直に固定してスコープを取り付ける
・射軸線とスコープの軸線を合せる
これらについて少し説明をしておきます。
1,マウントリングの精度
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マウントリングとは2つ一組でスコープをライフルに固定するものです。このマウントリングの精度とは2つのマウントリングの芯出しがどれくらい合っているかということです。エアガン用のスコープマウントリングは実銃用よりもはるかに安いため、この芯出しがほとんどなされていません。
前方のマウントリングのセンターと、後方のマウントリングのセンターがあっていないのです。この状態でスコープを取り付けても射軸線に対して斜めに載せてしまうため、撃ったBB弾はレティクルの縦線に対して斜め方向に飛んで行ってしまうのです。
2,マウントリングの芯出し=スコープと射軸線のセンター出し
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次回行く時は電動ガン禁止戦を考慮した装備で行かなければ🤔 pic.twitter.com/Eib1o8vlOb— いも (@dedendendendede) February 21, 2021
このマウントリングのセンターのズレを解消するには、BB弾が逸れて飛んでいく反対側のスコープとマウントリングの間にスペーサを入れてやれば補正できます。そのためには、一度スコープで狙って撃ち、弾道がどれくらい逸れていくかを見る必要があります。この試射を繰り返して、ライフルの射軸線に対してBB弾が真っ直ぐ飛んでいくまでトライ&エラーを繰り返して補正してください。
なお、スペーサーに使う材質は何でも構いません。プラ板や厚紙などで十分です。ちなみに老兵はゴルフクラブに張り付ける鉛製のウエイトを流用しました。このウエイトは鉛であるため叩けば簡単に薄くなるし、裏に接着用のノリが薄くついているので使いやすくておすすめです。この方法でライフルの射軸線とスコープのセンターラインが一致するのです。
3,ライフルを垂直に固定してスコープをマウントする
ライフルスコープのゼロインの前提条件として絶対譲れないのが「銃を垂直に固定した状態でスコープをマウントする」ことです。これができていないと、レティクルに対して真っ直ぐ構えても銃自体が傾いた状態であるため、必然的にBB弾がカーブを描いた弾道で飛んでいきます。素直な弾道で狙いたいなら、スコープマウントのセッティング時に垂直に固定したライフルにスコープを載せましょう。
ライフルスコープのゼロイン調整法
ライフルスコープのゼロインとは、ターゲットに対して弾を撃ち、クロスヘアと狙点を合致させることです。実銃のゼロインの場合には、ボアサイターと呼ばれる道具を使うと言う方法もあるのですが、最大有効射程が40~50mのエアガンの場合では、実際にBB弾を撃ちながら調整する方法が実用的です。そのゼロインに際に心掛けたいコツを幾つかご説明します。
1,ターゲットとライフルの高さをできるだけ同じにする
ライフルの有効射程はターゲットの位置によって変わってきます。ターゲットがライフルより高ければ有効射程が短くなり、逆にターゲットがライフルよりも低ければ有効射程距離が伸びます。
そのため最大有効射程距離を知るためには、ゼロイン時にライフルとターゲットの高さができるだけ同じであることが望ましいのです。この最大有効射程を把握することでサバゲーでの実戦に応用でき、相手との距離ごとに狙点を合わせられるようになります。
2,ゼロイン時にはフラット弾道が基本
エアガンの最大射程が一番伸びる弾道は、ある程度低伸弾道で飛んでいき、最後に少しホップ回転で浮き上がり、落ちながらターゲットを捉える弾道が、最大有効射程を稼げます。しかし、ことスコープを使うゼロインではこの弾道をおすすめできません。その理由は、最大有効射程の弾道内で浮き上がってターゲットを捉えられないエリアが現れるためです。
一例を挙げれば、40mで弾が浮き始めて45mで落ち始める弾道の場合、40~45m内のターゲットの頭を飛び越えてしまうのです。こういった有効射程の稼ぎ方でゼロインをした場合、BB弾が届くか届かないかの微妙な距離の時に、相手を捉え損なって、撃ったコチラの居場所がバレたりするのです。
このようなリスクを抱えないためにも、有効射程が短くなるように感じても、あくまでもフラットな弾道になるようにホップを設定してゼロインを行ってください。
3,一発ごとの当たり外れではなくグルーピングで判断する
主催者のTobbyさんに三脚を借りて撃ってみる。それでも左はグルーピングが悪い。
しかし、Tobbyさんにトリガーの位置を調整してもらったら右になりました。 pic.twitter.com/QykkCAZdvh— マフ (@schafmahmah) February 23, 2021
初めてライフルスコープのゼロインをする人の中には、一発撃つごとにスコープのダイヤルを回して調整するのを見かけますが、これは逆にゼロインを難しくする行為です。ライフルから撃たれたBB弾はほんの少しの横風でも影響を受けてBB弾が狙点から逸れていきます。完全に無風のシューティングレンジでもない限り、ゼロイン時には必ず横風の影響を受けます。
そんな時に一発撃つごとに調整ダイヤルを回しても無意味です。ゼロイン調整時には一発ごとなく、数発単位でグルーピングを見て、その結果を参考にスコープのダイヤルを回して調整するのが実用的です。映画やゲームのゼロインに憧れて、一発ごとに調整して悦に入るのはサバゲーの実戦を知らない人か厨二病を引きずっている人ぐらいだと心得てください。
サバゲーでのライフルスコープ運用法
サバゲーでライフルスコープを使う狙撃で付いて回る悩みが幾つかあります。その最たるものが相手との距離の把握です。自分の位置から撃った弾が相手にちゃんと届くのか?を計り切れない人が多いのではないでしょう。
フラットな位置で予めターゲットの距離が固定されているゼロイン調整と違い、サバゲーでは相手との会敵距離、高低差といったアンコントローラブルな状況で戦うことが常であり、同じ状況で撃ち合うことはあり得ません。そういった悩みを持つ方向けに老兵が経験したライフルスコープを使う運用法をご案内します。
1,相手との距離の測り方
ハンティング用のライフルスコープにはミルドットを使った測距法を解説した小冊子が付属していて、ターゲットの大きさをミルドットで計って距離を測る方法と弾着補正が説明されていますが、サバゲーではそんな測距法を使う手間も時間もありません。
また、エアガン用スコープにもレティクルレンジファインダー付きの物もあるのですが、可変倍率のスコープの場合には、相手までの距離を把握できるようになるまである程度の慣れが必要になってきます。そこでおすすめなのが、レーザーを使った測距機「レーザーレンジファインダー」です。
老兵が使っていた頃は5万円ほどしたのですが、現在では1万円前後のモデルもあるので、ご自分の軍事予算に合わせて購入されればいいでしょう。ゴルフ用のレンジファインダーなら高低差による距離の変化も明示してくれるので使いやすいでしょう。
サバゲーでのレンジファインダーの使い方
HARO 距離計 レーザー レンジファインダー ゴルフ サバゲー https://t.co/vot4y0S10F pic.twitter.com/C2IJ9YQPKL
— レンジファインダー@カメラ (@findercamera) May 18, 2016
レンジファインダーを使うと言えば、ターゲットとの距離を直接測ると思いがちですが、サバゲーでの実戦ではそんな使い方は実用的ではありません。サバゲーでのレンジファインダーの使い方は、自分の絶対防衛ラインを定めるために利用するのです。
例えば、自分のライフルの有効射程が40mなら、周りの立ち木や構造物の距離を測って、どの場所からが自分の有効射程内なのか?を把握しておくのです。こうしておけばどこから敵が現れても、有効射程内か?そうでないかを一目で判断でき、無駄弾を撃って自分の居場所がバレることもなくなります。
2,スナイピングスキルについて
なんで男女で構え方変わるのかな? pic.twitter.com/MUmBVAQo8K
— まりー (@mariesabage) February 26, 2021
これはコツというよりも基本的なことなのですが、意外にできていない人が多いのでご自身もチェックしてください。
その1つ目は「垂直に銃を構える」ことです。実際に電動ガンなりスナイパーライフルなりでも、垂直に銃を構えられる人が少ないのです。大概の人が銃をわずかに傾けた状態で構えています。弾幕で撃ち合う電動ガンの場合にはたいして影響は感じないのですが、スコープでの遠距離狙撃を行うには、この傾いた構えのままでは、BB弾が真っ直ぐ飛ばずに狙点からズレてしまいます。
この銃を垂直に構えるのは咄嗟に身に付くモノではありません。日頃の射撃トレーニングで垂直に銃を構えるように意識してください。コツとしてはグリップした手の甲が常に垂直になっているかを目安にすれば良いでしょう。
片手拳銃射撃で照準と着弾のズレ方が安定している(必ず右に逸れる、必ず左に逸れる)場合、グリッピングにミスってる可能性は真っ先に疑うところだと思ってもろて…その次がトリガーの引き方かしら。 pic.twitter.com/jQRYJ4itBo
— サイコメタル@再就職カワサキ (@Rinemetal) August 7, 2020
2つ目は射軸線に対して真っ直ぐ後ろにトリガーが引けているか?という撃ち方です。ライフルを撃つときに射軸線に対して真っ直ぐトリガーを引かないと必ず銃口がブレます。このわずかなズレが狙点のズレとなって現れるのです。でも、時と場合によってはこれらのスナイピングスキルを身に付けても、風の影響などでBB弾が逸れることは免れません。
しかし、このスキルを身に付けておかないと、遠距離射撃で敵をヒットする確率は桁違いに下がるのです。気持ちを込めて垂直に構えた銃から真っ直ぐにトリガーを引いた状態で撃った弾でないと相手には当たらないと心得てください。
3,横風への対処法
VSRで25m狙撃。 左からの横風強し( ゚д゚) pic.twitter.com/jPxnLLavxV
— ぐんそー (@oni_gunnsou) April 27, 2015
サバゲーは自然の中で行う遊びです。そしてその自然はサバゲーマーの邪魔をすることはあっても味方をすることはありません。その最たるものが遠距離狙撃時の横風の影響です。対処法としては、撃ったBB弾が目標に対してどれほど逸れるかをスコープのレティクルで掴んでおき、それに合わせて補正をかけるしかありません。
もう一つの対処法は銃を風上に向けて傾けて撃つ方法です。本来は邪道とも言うべき方法ですが、銃を傾けて曲げたBB弾を風にぶつけて真っ直ぐ飛ばすという荒業です。この方法も付け焼刃的な使い方では使えません。時々、どれくらい銃を傾ければどれほどBB弾が曲がるかを知った上でこそ使える方法です。
ライフルスコープゼロインのまとめ
今回はライフルスコープのゼロインについてご説明しました。今回はスコープの選び方などは敢えて述べていません。その手のブログや動画は既に掃いて捨てるほどネット上で溢れているので、今回は老兵が経験したゼロイン調整法をライフルスコープの運用法をご説明しました。最後に書き忘れたセッティング法を述べておきます。
もし、アナタのライフルがボルトを外してバレルからターゲットを覗けるタイプなら、最初にバレルを覗いてターゲットが見える状態でライフルを垂直に固定してスコープをマウントしてください。この方法は実銃のゼロインでも取り入れられている実用的な方法です。