「サバゲーでリボルバーを使ってみたい!」そう思うサバゲー初心者の方は多いのではないでしょうか。
ijirareは基本的にドイツ流のオートマチック火器のメカニズムが好きなのですが、リボルバーのシンプルで機能美に溢れたビジュアルも魅力的に感じています。
問題は、弾幕戦が主体のサバゲーで、オートマチックの連射性とリロードタイムに対抗できるリボルバーのエアガンを探せるか?どうかということです。

リロード中のS&Wリボルバー
現状では、リボルバーは拡張性、装弾数、リロードタイムの性能差で、ガスブローバックガンや電動ガンに対しては圧倒的に劣っています。
しかし、サバゲーでの楽しみ方は撃ち合いの勝ち負けだけではありません。
電動ガンやガスブローバックガンに不利なリボルバーでも使いようによっては十分にサバゲーで楽しめます。
今回のブログで、サバゲーでのリボルバーの楽しみ方を探してみましょう。
サバゲーでのリボルバーの実用性とは?

現在の主流はオートマチック小火器
サバゲーでのリボルバーの実用性は、ガスブローバックハンドガンや電動ガンに比べるとはるかに低いと言わざるを得ません。
なぜなら、サバゲーは基本的に戦場での戦闘を模したゲームだからです。
そして戦場での戦闘とは、一撃必殺的な戦い方ではなく、支援火器で援護射撃による弾幕を張って、相手の足を止めながら自軍は侵攻するという弾幕戦が近代戦の主な戦術です。
リボルバーがサバゲーで不向きな理由

1900年代初頭にすでにヨーロッパ各国で採用されたルガーピストル
そのため、使用される武器もどうしても連射性が高く装弾数も多いオートマチックウェポンが主流になります。
各国の軍隊でもそのことが常識であり、20世紀初頭では自動拳銃が既に戦場での標準装備になっており、リボルバーは戦場よりも警察機関で使用されていました。
そのため近代戦を真似たサバゲーでは、弾幕戦に不利なリボルバーはどうしても不利になるのです。
リボルバーとは

各バレルサイズのリボルバー
リボルバーとはレンコン状の回転式の弾倉(シリンダー)を持つハンドガンで、装弾数は5~8発ぐらいの拳銃を指します。
トリガーメカニズムもシングルアクションとダブルアクションを兼ね備えています。
リボルバーの特徴
リボルバーの特徴は、回転型弾倉にあります。
このシリンダー式弾倉はカートリッジのサイズを選ばないという特徴があります。
また、例え不発になってもトリガーさえ引けば次弾が撃てるという信頼性の高さもあり、構造が堅牢であるため、オートマチックハンドガンよりも高い耐久性をもっています。
リボルバーのメリット

像撃ちハンティング用カートリッジの458ウィンチェスターマグナムを撃つカスタムリボルバー
リボルバーのメリットは、カートリッジサイズに制限がないということでしょう。
オートのようにグリップ内にマガジンを装填しないため、カートリッジのサイズに制約がありません。
そのため454カスールや.500S&Wといった大威力のカートリッジも発射できます。
命中精度の高さ

ブローニング式ショートリコイルの特徴であるティルトアップバレル。スライトの後退と共にバレルが上下に傾く
9㎜口径以上にオートマチックハンドガンでは、一部を除いてブローニング式ショートリコイルを採用しています。
そのため、発射の度にバレルが上下前後に動くので命中精度に限界があります。
しかし、リボルバーの場合にはどんなに大口径になってもバレルはソリッドフレームに固定させているので、オートマチックハンドガンよりも命中精度にアドバンテージがあります。

ドットサイトを載せたCUSTOMリボルバー
こういった理由でビアンキカップなどのシューティングマッチでリボルバーにドットサイトを載せて出場するシューターがいるのです。
信頼性の高さ

80年代中頃からアメリカ警察に採用されだしたオートピストルの先駆け グロックG17
前述したようにリボルバーはオートに比べて可動部が少ないため、故障が起きにくいのです。
また、万が一、不発が出てもトリガーを引けば必ず次弾が発射できるという信頼性の高さがあります。
この信頼性の高さが市民を犯罪者から守る警察官や、必要な時に必ず発射されないと自分の命が危うくなるハンターのバックアップガンとして人気が高いのです。

ファクトリーメイドとして世界最強のリボルバー S&W M500
80年代中頃からファイアーパワーが重視されるようになった警察官たちの間では、装弾数が多くて安全性が高いグロック17の登場で、
オートマチックハンドガンが採用されるようになりましたが、グリズリーなどのプレテダーと遭遇する可能性のあるハンターたちの間では、
大威力リボルバーがいまだに高い人気を誇っています。
リボルバーのデメリット

S&W .357マグナム M686 6インチ
リボルバーのデメリットは3つあります。一つは装弾数の少なさです。
円形のシリンダー内では、チャンバーを設けられるスペースがどうしても限られます。
カートリッジの口径が大きくなるほど、またリボルバー本体のサイズが小型になるほど装弾数が少なくなります。
リロードタイムの長さ
リボルバーが欲しくなる pic.twitter.com/uBpm8q4DHR
— NoviceGunner@11/1おもしろ同人誌バザール(ろ-57) (@NovGunner) October 17, 2020
2つ目のデメリットがリロードのやりにくさです。
スピードローダーを使えばある程度は改善できますが、それでもマガジンキャッチボタンを押すだけでリロードできるオートの比ではありません。
現代戦の戦場や警察関係でオートが採用されているのも、素早いリロードがしやすいためです。
シリンダーギャップ
リボルバーはシリンダーが回転するため、バレルとの間にクリアランスが生じます。
そしてこのバレルとシリンダーとのクリアランスのお陰で、発射する際に火薬の燃焼ガスにロスが生じるのです。
このバレルとシリンダーの間に生まれる隙間をシリンダーギャップと呼びます。
リボルバーがオートマチックハンドガンと同じ威力の弾を撃ち出そうとすると、どうしてもリボルバーのカートリッジの方が大きくなるのはこのシリンダーギャップによるものです。
また、シリンダーギャップから漏れる高温の燃焼ガスにより、構え方が悪いと手にやけどを負います。
これらがオートマチックハンドガンにはない、リボルバーのデメリットです。
サバゲー用リボルバーと実銃の共通点
以上、ご案内したことは実銃のリボルバーをベースにお伝えしました。
これらのデメリットの中で、サバゲー用リボルバーに当てはまらないのはシリンダーギャップによるヤケドについてだけです。
他の実銃のリボルバーのデメリットは、サバゲー用リボルバーにも当てはまります。
サバゲーでリボルバーが使われないのは、以上のデメリットが理由です。
サバゲー用リボルバーの選び方

東京マルイ ガスリボルバー S&W M19 6インチ
引用元:https://www.tokyo-marui.co.jp/products/gas/revolver/284
ここまでの説明でリボルバーがサバゲーには不向きであることはご理解いただけたと思います。
しかし、それでも「うんにゃ!オレはリボルバーが好きなんだ!サバゲーに持って行って使いたいんだ!」と人もおられるでしょう。
そこで、ここではサバゲーで使うリボルバーの選び方についてご案内します。
エアーコッキングとガスリボルバー

クラウン エアコッキングリボリバー パイソン6インチ リアルカート
サバゲーで使えるリボルバーにはエアーコッキング式とガス式の2種類があります。
この2種類の中から選ぶならガス式リボルバーの一択です。
エアコキリボルバーでは、実射性能があまりに低いため、使いようがないのです。
腰の飾り、もしくはコスプレの小道具以外では、エアコキリボルバーはおすすめできません。
ケースレスとライブカート式
次にガスリボルバーにはケースレスとライブカートの2種類があります。
ケースレス式のメリットは実銃のリボルバーよりも装弾数が多いことです。
マルイのガスリボルバーが生産終了になった現在、装弾数が一番多いのはタナカワークスの‘’ペガサス‘’シリーズで、装弾数が18発になっています。
ただ、給弾方法がシリンダー前面から給弾するため、リロードではBBローダーが欠かせず、手間もそれなりにかかります。
ライブカート式リボルバー

クラウンリボルバーのライブカート
ライブカート式のメリットは実銃のようなリアルさを楽しめることです。
しかし、実銃と同じ装弾数になるため、ファイアーパワーは格段に下がります。
また、リロードもスピードローダーを使わないと、格段に手間取ります。
ライブカートとケースレス、どちらのリボルバーを選ぶべきか
正直に言って、ライブカートでもケースレスでもお好きな方を選んでください!と言うのがijirareの本音です。
何故なら、多少のリロードタイムの違いや命中精度に差があっても、ガスガンや電動ガンの連射性能の前では、その差など無いに等しいからです。
また、サバゲーにおいてリボルバーを使いたいと言う人は、勝ち負けとは別な楽しみ方を求めているはずです。
その楽しみ方が、モデルに対する思い入れや、ライブカートのリアルさなら、装弾数や射程距離などのスペックを前提にした選び方など役に立たないからです。
サバゲー用リボルバー選びの結論

シリンダーを上にスイングアウトするのが特徴のマテバリボルバー
結論としては、お好きなモデル、お好きなメーカーからお気に入りのモデルを選ばれればいいでしょう。
パイソンが好きならパイソンを、マテバに思い入れがあるならマテバを選べばいいのです。
シングルアクション・アーミーを選んで「また、会おう~」と、あのキャラクターになっても一向にかまいません。
アナタが楽しめれば、それがアナタのサバゲーにとっての正解なのですから。
各社ガスリボルバーの特徴
現在、ガスリボルバーを生産している国内メーカーは‘タナカワークス‘‘マルシン工業‘‘‘クラウン‘の3社です。
以前は東京マルイもガスリボルバーを生産していましたが、現在では杯盤になっています。
東京マルイのガスリボルバー

東京マルイのコルト・パイソン ガスリボルバー
装弾数24発を誇ったが現在では生産終了
冒頭でお伝えしたように東京マルイでは現在、ガスリボルバーの生産はされておりません。
装弾数24発で、初速が低いながらも素直な弾道であることから一定のファンはいたのですが、どうしてもオートハンドガンの方が需要が高いため、廃盤になったのかもしれません。
もし、東京マルイのガスリボルバーをお望みなら在庫品限りなので、ネットやショップ等で見かけたなら、迷わず購入されることをおすすめします。
東京マルイのガスリボルバーの注意点
現在、市場で流通している東京マルイのガスリボルバー製品のほとんどはエアコッキング式です。
ですので、ECサイト等で東京マルイのリボルバーを見かけた時には、ガスリボルバーかエアコキリボルバーかを良くお確かめの上に購入されてください。
「パイソン、見っけ!ポチッ!」として、ガスリボルバーを購入したつもりが届いたのがエアコキリボルバーなら心が折れますよ。
タナカワークスのリボルバーの特徴

タナカワークス コルト・パイソン 6インチ ブルーフィニッシュ
タナカワークスのリボルバーは「ペガサス」と呼ばれるケースレス方式のガス発射システムが組み込まれています。
このペガサスはシリンダーがマガジンとガスタンクの役割をはたしているため、
グリップ内にガスタンクを納めてシリンダーまでガスルートを設けた東京マルイのガスリボルバーなどよりも、トリガー周り、ハンマー周りのメカの再現性が大変リアルにされています。
タナカワークスのペガサス病とは
タナカワークスのペガサスには通称「ペガサス病」と呼ばれる不具合があります。
ペガサス方式ではシリンダーにガスと直接充填するのですが、
このガス圧によってシリンダーの放出バルブが内部に張り付いてしまい、初弾が発射できない、もしくは発射されても著しく初速が遅いという症状が出るのです。
現在のところこの症状への対策は、ガス放出バルブのOリングをできるだけ乾いた状態に保つことだけです。
タナカワークスの製品はクセが強く、付き合っていくにはそれなりの愛情が必要です。
タナカワークスのリボルバーを購入される時には、このことを承知しておく必要があります。
ペガサスの命中精度
また、ペガサスはシリンダー内にBB弾を給弾するため、シリンダー前面のチャンバーパッキンがかなりキツメになっています。
そして、このキツメのパッキンに初速が食われないようにガス圧が高めに設定されています。
その結果どうなるかというと、キツメのパッキンに高めの初速で発射するわけですから、弾道は昇竜拳⤴に(笑)
それを解消するには弱めのチャンバーパッキンへの交換が考えられるのですが、それをすると今度はマガジン内の弾が全部外に放出されるため、微妙な調整が求められます。
タナカワークスの魅力
それでもタナカワークスの製品の人気が高いのは、その外観仕上げのクオリティーが素晴らしいからです。
特に業界で初めてヘビーウェイト樹脂にメッキを施すことに成功した「ジュピターフィニッシュ」は、マニアの心に突き刺さるものがあります。
また、元々はモデルガンや実銃のストックを製造する木工会社なので、ウッドストックの仕上げの良さもリピーターを獲得する理由になっています。
実際にijirareの知り合いのサバゲー女子もタナカワークスの38式小銃を諭吉10枚で購入して、家宝にすると言っています。
なんでも38式の仕上げの良さに一目惚れして、再販前に予約してようやくGETしたと言っていました。
このようにタナカワークスの製品には、実射スペック以外の魅力がユーザーを惹きつけるのです。
マルシン工業のリボルバーの特徴

マルシン工業 コルト。パイソン 4インチモデルとXカートリッジ
マルシン工業のリボルバーは、「Xカートリッジ」と呼ばれるライブカートシステムを採用しています。
カートリッジごとにBB弾を詰めて、シリンダーにカートリッジを装填する様子はまるで実銃を扱うようなリアルさがあります。
マルシン工業のリボルバーの弾道
マルシン工業のリボルバーの実射性能はお世辞にもサバゲー向きとは言えません。
5m先のターゲットを余裕で外せます。
どちらかというとモデルガン的に楽しむリボルバーと言えるでしょう。
マルシン工業のリボルバーの魅力
マルシン工業のリボルバーの魅力はXカートリッジのリアルさが全てです。
弾頭まで再現されたXカートリッジを装填したシリンダーを前面から眺めると実銃のような雰囲気を醸し出します。
ブランデーを舐めながらマルシンのリボルバーを眺めて楽しむ♡という楽しみ方ができる大人に似合うリボルバーと言えます。
クラウンのガスリボルバーの特徴

クラウンのライブカート ガスリボルバー 最大飛距離60~70mの表記が・・
クラウンのガスリボルバーの特徴は、リーズナブルな価格にあります。
他社のリボルバーが軒並み1万円オーバーのところ、クラウンのガスリボルバーは1万円以下で購入できます。
しかし、その安さの分だけどうしても外装仕上げのクオリティーに妥協が強いられます。
プラ素材そのままの仕上げと軽さ、これらが気にならない人に向いているモデルです。
クラウンのガスリボルバーのシステム
クラウンのガスリボルバーはライブカート式の給弾方式です。
カートの形状は空薬莢そのままで、ガスはグリップ下部から充填してガスルートを通してシリンダーまで導かれる従来の方式です。
クラウンのガスリボルバーの弾道
クラウンのガスリボルバーはケースの底でBB弾を保持するため、BB弾の詰め方によってはばらつきが生じます。
また、ケース底部からフォーシングコーン(シリンダーとバレルの接合面)、更にマズルまでの距離が長いため弾道がバラつきがちです。
初速も上下のバラつきが激しく、ライブカート式であることもあり、お世辞にも安定した弾道ごは言えないでしょう。
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ガスリボルバーの選び方のまとめ

タナカワークス ガスリボルバー スマイソン(スモルト)
ガンスミスのディビスが作ったパイソンとS&Wアクションを合体させた2個イチカスタム
今回はサバゲー用のリボルバーの選び方と、サバゲーでのリボルバーの実用性、各メーカーごとの製品の特徴についてご説明しました。
当ブログの冒頭でご説明しましたが、リボルバーをサバゲーで使うには、ある程度の実銃に対するメカニズムや歴史的な知識がバックアップとしてあれば、より整合性のある選び方ができます。
いずれ機会があればこれらのこともご案内できればと思っています。
次回のブログではサバゲーでリボルバーで戦う際の戦術やリボルバー用に必要なアクセサリーなどについてご案内します

コメント
コメント一覧 (1件)
マルシンXカートリッジリボルバーは未だに
ハンマーを前に押すと生ガスが噴き出す
リバウンドスライド式ではないのでしょうか?