以前、このようなツイッターを上げました。
実は今季のアニメで銃器が登場する作品が幾つかあり注目しているのですが、そこで気になるのがそれらの作品の銃器の描写がどれだけリアルに描かれているかです。
そこで銃器の描写で優れている条件について私見を書いたのが上のツイートです。
これまでもリアルなガンアクションが描かれたアニメと言えば「ブラックラグーン」や「ヨルムンガンド」、ちょっと昔のアニメなら「ガンスミスキャッツ」などの作品がありました。
そうしたこれまでのアニメ作品の中で神の領域のガンアクション描写に達している作品は「リコイル・リコリス」だと思っています。
と述べたのが上のツイートです。
そこでアニメ「リコリス・リコイル」のガンアクションがなぜ神描写だと思うかの理由を書いたのが下のツイートです。
このツイートを上げたところ多くのインプレッションを頂きました。
ただ144文字のツイッターでは思ったことの半分も書けていません。
そこでこのツイッターの内容をもう少し掘り下げて、
アニメ「リコリス・リコイル」のガンアクションが神描写だと思う理由を詳しく書いてみようと思います。
アニメ「リコリス・リコイル」のガンアクションが神だと思う理由:1、銃器のリアルな描写

銃器が登場するアニメ作品で最初に気になるのが銃器の描写がどれだけ正確に描かれているか?ということでしょう。
この銃器の描写が正確であればあるほどリアルなガンアクションが描かれていることが期待できますもんね。
そこでアニメ「リコリス・リコイル」のメインキャラが装備する銃ですが、
千束が「デトニクス・コンバットマスター」、
たきなは「スミス&ウェッソンM&P95インチモデル」、
ミカの「カスタム・ガバメント」です。
他にも電波塔突入時に千束がショットガンのKSGを装備しますが、今回は皆さんが大好きなハンドガンをメインにご説明します。
千束のデトニクス・コンバットマスター

アニメ「リコリス・リコイル」の銃器描写で話題になったのが主人公の千束が使うハンドガンが何か?ということです。
ただこれはすぐに「デトニクス・コンバットマスター」のカスタムだろうという答えがすぐに出ました。
そこでこの千束の「デトニクス・コンバットマスター」がどれほどリアルに描かれているか?というのが本ブログのテーマです。

上の画像はノーマルの「デトニクス・コンバットマスター」です。
基本のメカは.45ACPのコルトガバメントをコピーしながらも、バレルを3、5インチまで短くし装弾数も6発にしてグリップも短くし、ガバメントよりも携帯性を高めたモデルです。

それに対して上の画像が千束が使う「コンバット改」です。
このカスタムについて話せばかな~り長くなるので省きますが、

簡単に言えば相手の身体に銃口を押し付けながら撃てて、発射時のマズルジャンプ(銃口の跳ね上がり)を押さえるためのカスタムです。

これは敵の懐に飛び込んで戦う千束向けのカスタムと言えるのです。
このように千束の「デトニクス・コンバットマスター改」はかなりリアルに描かれています。
たきなのスミス&ウェッソンM&P9 5インチモデル

たきなの装備するハンドガンはスミス&ウェッソン M&P9の5インチモデルです。
このたきなのハンドガンについても、どういったモデルを使っているのか?が放送開始時にはネット民の間でかなり話題になりました。
最初に候補上がったのがスミス&ウェッソンのパフォーマンスセンターが手掛けるカスタムガンのM&P9Lというカスタムモデルです。

候補に挙がった理由は1:スライドが5インチタイプであること、2:サムセフティーが付いていること、などからです。
しかしM&P9Lには銃口の跳ね上がりを押さえるためのポートがバレルとスライドに開けられているのに対して、たきなのつかうM&P9にはそういったポートは開いていません。

じゃあノーマルのM&P9なのか?と言えばそれも少し違うようです。
ノーマルのM&P9はサムセフティーはオプション扱いで最初からついておらず、スライドのサイズも4.25インチなのでたきなの使うモデルとは少し違うのです。

そこで出たのがたきなの使うM&P9Lはオプションのサムセフティー付きの9㎜パラベラム弾口径の5インチモデルだろうという推察に至ったわけです。
このたきなの装備するスミス&ウェッソン M&P9の5インチモデルもアニメではかなりリアルに描かれています。
ミカのカスタムガバメント

出番はあまりないものの、喫茶「リコリコ」店長で元DAの教官であるミカのカスタムガバメントもかなりリアルに描きこまれています。
フロントセレーション入りの5インチスライドの上にはコンバットシューティングに適したノバックサイト、
ビーバテイルグリップセフティーにアンビタイプのサムセフティーレバー、
ワイドトリガーにパールグリップという仕様です。
一見地味なカスタムに見えますが、プロ好みの実用性第一のカスタムガバメントだと言えるでしょう。
アニメ「リコリス・リコイル」のガンアクションが神だと思う理由:2、実銃通りのリアルな作動描写

一般の方はあまり気に留めないかもしれませんが、銃器オタクがアニメのガンアクションを見る時に無意識でやっているのが、
実銃通りの装弾数で作動が停止した後、シッカリとマガジンチェンジのシーンを描いているのか?というところです。
最近のアニメのガンアクションのシーンでは、空薬莢を排出シーンがかなりリアルに描かれるようになりました。
ただ、その排莢シーンが描かれているからと言って、その銃の発射弾数が正確に描かれているかというと必ずしもそうは言いきれません。

まだまだ実銃の装弾数以上の発射弾数で描いているアニメが多いのです。
しかし、「リコリス・リコイル」ではリアルな発射弾数と銃の作動、正確なタイミングでリロードが描かれている数少ないアニメです。
そのガンアクションの神描写の一部をご紹介します。
アニメ「リコリス・リコイル」錦木千束のガンアクション

これはアニメ「リコリス・リコイル」第一話の武器商人一味と錦木千束の銃撃シーンです。
この銃撃シーンだけでアニメ「リコリス・リコイル」の製作スタッフがリアルなガンアクションに拘っていることが凝縮されています。
まずこのシーンで注目して欲しいポイントは3つあります。
1:実銃のデトニクス・コンバットマスター通りの発射弾数、
2:全弾発射のタイミングでのマガジンチェンジ、
3:ドアに発射した弾丸が貫通して、その穴から見えるドア向こうの様子が描かれている、
この3つのポイントについて解説していきます。

まず最初に千束はドア越しに武器商人に向けて発砲します。
この時の千束の発射弾数は5発です。
そして武器商人が倒れるとドアの向こうに回り込んでトドメの1発を撃ち込みます。
ここまで計6発の銃弾を発射しています。
ここがポイントの1つ目です。
千束が使うデトニクス・コンバットマスターの装弾数は.45ACP弾6発です。
製作スタッフはこのシーンでデトニクス・コンバットマスターの正確な装弾数を描いているのです。

2つ目のポイントが全弾発射後のリロードシーンです。
倒れた武器商人にトドメの1発を撃った後、千束はマガジンキャッチボタンを右手の親指で押してマガジンを落としながら、
マガジンが抜け落ちたタイミングで左手に持っていた次のマガジンを装填します。
そして次の瞬間にグリップをしている手の親指でスライドキャッチレバーを下してスライドをリリースしています。

何気ないシーンとして見逃してしまいがちですが、目線を敵に向けながら手元を見ることなくマガジンチェンジを行うには相当な慣れが必要です。
もし、この記事をご覧の皆さんの中でエアガンをお持ちの方がいるなら、ご自身で確かめていただければ筆者が言っていることに納得されることでしょう。
この全弾発射後からマガジンチェンジの数秒のこのシーンで、錦木千束がいかに手練れのエージェントであるかを描いているのです。

3つ目のポイントが、千束が車のドアに向けて撃った貫通痕の向う側が描かれているところです。
昔の日本の刑事ドラマなどでは車のドアを盾に撃ち合いをするシーンがよく描かれていましたが、
最近の自動車では軽量化のため車のドアやボディーに使う鋼板もかなり薄くなっていて、ピストル弾でも当たり場所によっては簡単に貫通します。

特にこのシーンの千束のように至近距離から撃つと、フランジブル弾でも紙のように抜けるのです。
そしてこのシーンの凄いところは、貫通したドアの上4つの穴に武器商人の服が描かれ、一番下の穴にはドアの向うの風景が見えているところです。
これまで多くのアニメのガンアクションを見てきましたが、ここまでリアルな着弾描写を見せたアニメは「リコリス・リコイル」が初めてです。
アニメ「リコリス・リコイル」のガンアクションが神描写だということを、この数十秒のシーンを見ただけで納得いただけるでしょう。
アニメ「リコリス・リコイル」井之上たきなのガンアクション

アニメ「リコリス・リコイル」のガンアクションが神描写である理由を、今度は井之上たきなの射撃シーンから見てみましょう。
これは先ほどの千束と武器商人との銃撃戦が始まる少し前の、たきなが単独で武器商人の車を射撃するシーンです。
このシーンの神描写はホールドオープンからマガジンチェンジ後のスライドリリースまでの一連のスライドの動きです。

このスライドの動きのどこが神描写なのか?と問われれば上手くは言えないのですけど、要するにスライドの動きに「重さ」というか「慣性」を感じるのです。
まずスライドオープンする場面ですが、発射後すぐにスライドが動くのではなく、まずサプレッサー付きのバレルが反動で跳ね上がり、すこし銃口側が上を向いたタイミングでスライドが後退します。

そのスライドが後退するスピードも最初は勢いよく下がっていますが、最後の方はスピードが少し衰えてストップして、スライドオープンの後は手首を支点にして少し下に戻ります。
これはリコイルスプリングの圧縮によってスライドのバックスピードが緩くなるのと、発射後に跳ね上がった銃口が手首を支点に銃の重さで少し下がる実銃の動きを正確に再現しているのです。

さらに空になったマガジンを落としながら体をかがめてマガジンをリロードします。
これはリロード時に敵の射撃を受けないように射線を避けるための行動なのです。
そしてマガジン装填後、スライドキャッチレバーを下げるとスライドが前進するのですが、この時もただ前進するのではなく、
初弾をチャンバーに送る時の抜弾の抵抗を描くために、スライドキャッチレバーを下げてからスライドが閉鎖する時の一瞬だけスライドの動きが鈍ります。
この一連の流れでここまで実銃どおりの動きを描いているアニメ「リコリス・リコイル」のガンアクションは、神描写だと言っても差し支えはないでしょう。
アニメ「リコリス・リコイル」のガンアクションが神だと思う理由のまとめ

今回はアニメ「リコリス・リコイル」のガンアクションが神描写だと思う理由の内、銃器のリアルな描写と千束とたきなのガンアクションのリアルさを解説しました。
実は、この他にも銃の作動の描写やこだわりの弾着シーンなどの神描写はまだいろいろあるのですが、
あまりにも文字数が多くなるので、今回はパート1ということにして続きは次回のブログでまた解説します。
アニメ「リコリス・リコイル」は放送終了後の現在でも高い支持を受けています。
もし、地上波の放送を見逃した!という方がいてもご安心ください。
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