前回のブログでは自衛隊装備サバゲーでの電動ガンの実用性についてご案内をしましたが、サバゲーには実用性以外にもロマンを楽しむという部分があります。
具体的に言うと、実銃のような操作をすることやリコイルなどでリアルさをサバゲーで感じながらプレイするということです。
このロマンという面で電動ガンよりも楽しめるのがガスガンです。
特に実銃のようにスライドやボルトが作動するガスブローバックガンがリアルさにおいては電動ガンを大きくリードしています。
そこで今回は自衛隊装備でよりリアルなサバゲーを楽しみたい方向けに、自衛隊装備用ガスガンをご紹介します。
サバゲーの自衛隊装備でガスブローバックガンを使う楽しさとは
ガスブローバックガンと言えば以前はハンドガンを指す言葉でした。
しかし、2008年にウェスタンアームズが初めてGBB(ガスブローバック)版M4A1カービンをリリースしたところ、
リアルな操作性と電動ガンでは実感できなかった肩を揺るがすリコイル、
フィールドストリッピングで見た時の内部メカのリアルさなどでユーザーの心を掴み、
サバゲーマーの間でGBBライフルというジャンルを確立したのです。
WA M4A1以前の長物GBB
それまでもマルゼンの「TYPE U」や「MP5K」、
KSCの「TMP9」や「イングラムM11A1」といった小型サブマシンガンのブローバックモデルはあったのですが、
本格的なアサルトライフル版GBBで、実物同様のリアルさまで感じさせたのはやはりWAのM4A1カービンのGBBの功績と言っていいでしょう。
この製品以降、GBBライフルはリアルさに磨きをかけ、
サバゲーでのリアルさを実感することのできるアイテムとしてリアル派サバゲーマー達から支持を集めています。
そこでライフル版GBBのリアルさを具合的にご説明しましょう。
操作とアクションのリアルさ
GBB版ライフルの一番のリアルさは、フレーム内で実際にボルトが作動することで実感するアクションです。
この質量を伴ったボルトが前後に動くことで生じるリコイル、
ボルトリリース時にボルトが前進する衝撃、
撃ち慣れてくるとホールドオープン時のリコイルの違いによって感じる弾切れ、
これらは全てリアルにボルトが動くことで実感できるのです。
これらのアクションが電動ガンでは味わうことができないリアルさをGBBで実感できるのです。
サバゲーで自衛隊装備用ガスガンを使うことのリスク
クリスマス定例会寒すぎでガスガン動かないと思って買ったのに。。 pic.twitter.com/GoLtKNT5b2
— けー (@Subaru4455) December 18, 2020
ガスブローバックライフルのリアルさやロマン性が電動ガンの上であることは先ほどご説明したとおりですが、電動ガンにはないガスガンのリスクもあります。
そこで自衛隊装備用ガスガンのリスクについてご説明します。
自衛隊装備用ガスガンを使うリスク
選べるモデルの少なさ
装弾数の少なさ
マガジンの冷え加減で変化する初速と着弾点
予備マガジンの価格
マガジンガス漏れのリスク
選べるモデルの少なさ
ウエスタンアームズがM4A1のガスブローバックモデルを出して以来、いろいろなライフルがガスブローバックモデルとして製品化されています。
しかし、自衛隊装備用のガスブローバックガンとなると選べるモデルが極少数に限られてきます。
アナタがいくらAKやMASADA、タボール21のガスブローバックモデルを使いたいと思っても装備できないのです。
89式小銃以外で装備できる自衛隊装備用ガスブローバックガンを挙げるとしたら、MP7A1やHK416D、M4A1カービンぐらいなのです。
その他のリスクは以前のブログに書いてあるのでそちらをご参考にしてください。
自衛隊装備で使えるガスガンとは:普通科連隊装備用ガスガン
先ほども申し上げたように自衛隊装備用ガスガンは使えるモデルが限られています。
すでに経験を重ねたサバゲーマーの皆さんならそれらのモデルをご存知でしょうが、
これから自衛隊装備でサバゲーを始めるビギナー向けにそれらのモデルをご紹介します。
自衛隊装備用ガスガン1、M24SWS対人狙撃銃
M24SWS対人狙撃銃で遠距離狙撃訓練中の自衛官狙撃手
M24SWSとは自衛隊が対人狙撃銃として採用しているボルトアクション式スナイパーライフルです。
このM24はアメリカ陸軍に採用された狙撃銃でベースとなるのはレミントンM700ボルトアクションライフルです。
このレミントンM700ベースの狙撃銃が海兵隊ではM40、
U.S.SOCOMではM13となり、
紛らわしい上に素人目にはほとんど見分けがつきにくいです。
タナカワークスのM24SWSの特徴
カートリッジを装填中のタナカワークスM24SWS対人狙撃銃
現在のM24SWSガスライフルはタナカワークスの製品が一択です。
更にこのM24SWSはライブカート式というリアルさを優先した仕様になっているので、一部のファンから絶大な支持を受けており、ネットで再販されても常に品切れ状態です。
ただ、このライブカート仕様は、サバゲーでの実用性から見ると必ずしも使いやすいものではありません。
その理由の一つ目は空薬莢状ケースの抜弾時とホップ通過時の二度にわたってBB弾に回転が与えられることです。
一度ならず二度もホップ回転が加えられるとどうしてもBB弾の回転が不安定になりがちです。
そのため他のケースレス式よりも弾道が安定しにくいのです。
薬莢排出中のタナカワークス製M24SWS対人狙撃銃
2つ目の理由はボルトアクションの操作ごとに空薬莢が排出されることです。
部屋撃ちやインドアなら飛び出したカートを見つけやすいのですが、
ブッシュの多い森林フィールドではケースが紛失しやすく、
ケースは消耗品と割り切れる人でないと飛んで行った空ケースの行方が気になってゲームに集中しにくいでしょう。
実銃の雰囲気を感じるなら最高のライフル
これほどのリスクがあるにもかかわらずタナカワークスのM24SWSは人気が高く常に品薄状態です。
これはリアル派サバゲーマーの支持が高いためです。
もし、ガスライフルM24SWSの購入を考えているなら、ネット上で見かけた時には迷わず購入することをおすすめします。
ガスライフルM24SWSのライバル
前述したようにM24SWSのガスモデルがタナカワークスの製品が一択であり、他にライバルは存在しません。
しかし、M24SWSを使いたいけどライブカート仕様はイヤだと言う人にはエアーコッキング式の製品をおすすめします。
ケースレス式のM24SWSはA&K、WELL、SNOW WOLF、SYMAという海外エアガンメーカーから発売されています。
そして国内製品ではガスライフルと同じくタナカワークスから販売されています。
海外製のM24SWSの特徴は日本製よりもかなりお安い価格で購入できるところでしょう。
そして、選び方の基準は東京マルイのホップが流用できるか、できないかで違ってきます。
これらの中でおすすめなのはVSRのコピーであるA&KM24 SWSか、純正のVSRホップパッキンを流用できるCYMA製のM24SWSでしょう。
タナカワークスのエアー式M24SWSは製品のクオリティーは高いのですが、価格も高くなるのでご自分の財布の中身と相談の上で決められるとよいでしょう。
自衛隊装備用ガスガン2、東京マルイ5.56㎜89式小銃
89式小銃を使った訓練中の自衛官
自衛隊装備用ガスガン紹介の2番目は東京マルイ5.56㎜89式小銃ガスブローバックです。
東京マルイは2015年にガスブローバックライフルM4A1AWSの発売以来、少しずつM4プラットホーム系のガスブローバックライフルを増やしています。
また、近年ではM4A1だけでなくAKMのガスブローバックライフルの製品化をアナウンスしています。
なぜ、今AKMなのかは甚だ疑問なのですが、ガスブローバックモデルのバリエーションを東京マルイは今後も増やしていくでしょう。
東京マルイ5.56㎜小銃ガスブローバックの特徴
東京マルイ5.56㎜小銃ガスブローバックの一番の特徴は、ラチェット式バーストシステムが再現されていることです。
これにより実銃の89式小銃と同様にどのタイミングで指を放しても、次に3点バーストでは確実に3発の弾を発射します。
電動ガンの3点バーストに引き続き、ガスブローバックモデルでもこの3バーストを再現仕手くれたのは嬉しいかぎりです。
東京マルイ5.56㎜小銃ガスブローバックのライバル
実銃と同様の操作と分解が可能なDAS89式小銃
東京マルイ5.56㎜小銃ガスブローバックのライバルは存在しません。
強いて挙げるならガスブローバックではありませんが、トレーニングウェポンとして開発されている「GBLS – [DAS 89式]」と「SYSTEMA 電動ガン PTW89」があります。
しかし両方とも20万オーバーという価格設定であるため、よほどのハイエンドユーザーでもない限り縁のない製品でしょう。
自衛隊装備用ガスガン3、タナカワークス シグ P220 IC 陸上自衛隊 9㎜拳銃ガスブローバック
SIG P220にマガジンを装填する自衛官
自衛隊装備用ガスガン紹介の3番目はタナカワークスの「 シグ P220 IC 陸上自衛隊 9㎜拳銃ガスブローバック 」です。
自衛隊がアメリカ軍から供与されていたガバメントの後継拳銃として、
1982年にこのSIG/SAUER P220に更新された時に、
ンマニアの間では幾つかの疑問が囁かれていました。
曰く、
「なぜ、装弾数が多くてマガジンチェンジが容易なP226ではなく、シングルフィードマガジンでマガジンキャッチがボトムタイプのP220なのか?」という疑問です。
自衛隊の拳銃トライアル当時に、P226やP228が既に発表されており、わざわざ装弾数の少ないP220を自国の軍用拳銃に採用されたのが謎でした。
ともあれ、このP220が2020年にHK FPS9に更新されるまで、自衛隊の主力拳銃だったのです。
タナカワークス製シグP220の特徴
タナカワークス P220陸上自衛隊仕様
現在のタナカ製P220は2NDバージョンになります。
1StバージョンのP220はマガジンのガス漏れが酷くとてもおすすめできる製品でなかったことは、これまでも当ブログでお伝えしてきました。
このP220の印象が悪すぎたため、ijirareはタナカワークスの製品に対して信頼性が持てなかったのです。
しかし、このP220ICでタナカワークスは本気で改善を施したのです。
これにより現在のP220ではほぼマガジンのガス漏れ問題を解消しています。
ともあれ、自衛隊の刻印が入れられたP220はこのタナカワークスのモデル以外にはありませんので、
自衛隊装備用ガスブローバックハンドガンはこのP220一択と言っていいでしょう。
特殊作戦群向け自衛隊装備用ガスガン4、M4A1カービン ガスブローバック
M4A1カービン
ここまで述べたのは普通科連隊の陸上自衛隊装備用ガスガンのご紹介でしたが、ここから先は特殊作戦群向けに装備用ガスガンのご紹介になります。
これまで述べたように特殊作戦群とは自衛隊が公式に認めた特殊部隊です。
そのため、作戦に応じて、部隊独自に採用された武器の使用も認められています。
そういった独自採用のライフルとしてご紹介する1番目がM4A1カービンです。
M4A1カービンガスブローバックのモデル
冒頭でご案内したようにM4A1カービンのガスブローバックの嚆矢はウェスタンアームズの製品でした。
このガスブローバックM4A1カービンはユーザーが渇望していたモデルであったため大ヒット作になり、
その後コピー製品が雨後の竹の子のように発生します。
最初がGHK、WEといった海外製が、その後にもVFCやS&T、
国内メーカーからは東京マルイ、KSC、タニオ・コバというメーカーから製品が販売されています。
これらの製品の中から現在も在庫があり入手可能でリーズナブルな価格設定という条件で選ぶなら「東京マルイ」「S&T」の二択になります。
東京マルイとS&T、選び方の条件
東京マルイとS&TのガスブローバックM4A1、日本国内のサバゲーで使うなら初めから日本向けに作られた東京マルイの製品が無難でしょう。
ただ、S&TのM4A1ガスブロはオリジナルが高価なウェスタンアームズのコピー製品なので、ご自分で上手く調整できる人はマグナブローバック並みのリコイルが体感できます。
東京マルイの製品価格が4万円台、
S&TのM4A1メタルガスブロが3万円弱、
樹脂製フレームのS&T製ガスブロM4が2万円以下なので、ご予算に応じて選ぶという選択肢もあります。
特殊作戦群向け自衛隊装備用ガスガン5、HK416D ガスブローバック
HK416のFull-Auto射撃
実銃のHK416Dについては他のメディアでも数多く解説されているのでそちらをご覧ください。
ここでは自衛隊装備用ガスガンとしてのHK416Dについてご案内します。
現在、日本のエアガン市場で流通しているHK416DのガスブローバックモデルはVFCとWE製品の2種類が確認できます。(2020年末現在)
VFCとWEのガスブロHK416Dの特徴と選び方
VFCはH&K社とライセンス契約を結んでおり、刻印や各部のサイズが正確に再現されています。
外見のリアルさに拘りたい人におすすめです。
WEのガスブローバックはリコイルの強さが魅力です。
撃ち味のリアルさを楽しみたい方に向いています。
WE HK416D GBB
両者に実射性能で言えることは、高威力で重量弾を撃ち出す前提でホップパッキンが設定されているので、
日本のHFC134a代替フロンガスでは、ホップパッキンが硬すぎるために本来の弾道性能を生かし切りません。
双方とも日本向けの柔らかいホップパッキンに交換する方が良いでしょう。
また、海外製ガスガンのマガジンに共通していることですが、
元からつている高圧ガス対応であるマガジンのガス注入バルブでは、上手くガスを注入できません。
日本ガス用注入バルブに付け替えましょう。
特殊作戦群向け自衛隊装備用ガスガン HK MP7A1
HK MP7A1のFull-Auto射撃
自衛隊特殊作戦群ではHK MP7A1が特殊サブマシンガンとして採用されています。
このMP7A1のガスブローバックガンは東京マルイ、KSC、VFCの3メーカーから製品化されています。
3タイプのHK MP7A1の特徴と選び方
それでは、これらの3タイプのMP7A1の特徴と選び方をご説明します。
結論から言うと製品の価格、入手のしやすさ、命中精度の高さを基準に選ぶなら東京マルイ>KSC>VFCの順番になります。
製品サイズと刻印の再現性などのリアルさから選ぶならVFC>KSC>東京マルイの順番と言えるでしょう。
実銃どおりのサイズを再現できているのは、この3丁の中でもVFC製MP7A1だけです。
3つのMP7A1でどれがおすすめか?
VFC製MP7A1は現在のところ在庫切れで再入荷の時期も未定になっています。
そこで選ぶとしたなら東京マルイかKSC製MP7A1になるのですが、
両方とも実射したijirareの経験から述べると、入手しやすく扱いやすい東京マルイ製のMP7A1がおすすめです。
東京マルイ製MP7では30mヘッドショットも可能ですが、KSC製MP7では30m先のヘッドショットが当たる確率は東京マルイ製の3割減といったところです。
また、サブマシンガンの運用には予備マガジンが必須なのですが、この点からも現時点ではKSCよりも東京マルイの方が安定供給されています。
最後に価格ですが、東京マルイのMP7A1ガスブローバックのほうが、KSCよりもリーズナブルな価格設定なので、この点からも東京マルイ製をおすすめします。
特殊作戦群むけ自衛隊装備用ガスガン HK USP
引用元:https://youtu.be/7oKBqp9j51w
HK USPは自衛隊の特殊作戦群に採用されている9㎜拳銃です。
特戦群の任務上、閉所戦闘が普通科連隊よりも多くなるという想定で、SIG P220よりもファイアーパワーの優れたUSPを採用したのではないでしょうか。
さて、このUSPのガスブローバックガンですが、市場にはUMAREX製、KSC製、東京マルイ製の3モデルが販売されています。
それぞれのUSPの特徴
東京マルイのUSP
サバゲーでの使いやすさを最優先させたモデル
KSC製USP
エアガンとしての使いやすさ以上にモデルガン並みのリアルさを追求したモデル
実銃と同じ操作をしないと作動しない「リアルライブオペレーション」など実銃の再現性は素晴らしいが、時として耐久性が犠牲になっていることもある
UMAREX USP
造り自体はKSC製に近いものがある。海外製らしくメタル製スライドが載せられているので、冬場の作動は渋いかも。ただ、質感は3丁の中で一番素晴らしい。しかしその分だけお値段もお高めです。
おすすめはやはり東京マルイ製USP
東京マルイ HK USP 実射 リコイルがシャープ
これら3丁の中で、使いやすさ、耐久性、遠射性能、コストパフォーマンスなどの総合バランスから選ぶならやはり東京マルイ製USPがおすすめです。
以前のKSC製品は、ホップの調整がかなりピーキーでしたが、システム7エンジンになってからはかなり改善されて素直な弾道になっています。
それでも、東京マルイのホップ弾道の方がゲーム向きと言えるでしょう。
しかし、リアルさを重視する自衛隊装備サバゲーマーならKSCの実銃再現性が心を満たしてくれるかもしれません。
フィールドで見かけたなら試射させてもらって確かめるのもいいでしょう。
自衛隊装備用ガスガンのまとめ
自衛隊新制式20式小銃 HOWA RIFLE TYPE20
皆さんもすでにご存じだと思いますが、自衛隊は今年2020年に制式小銃と拳銃を更新しました。
新しい小銃は89式小銃と同じく5.56㎜NATO弾を使用する豊和工業製20式小銃、
新制式拳銃は9㎜口径のドイツ製HK SFP9に決定しています。
自衛隊 新制式9㎜拳銃 HK FSP
この両者はまだエアガンとして製品化されていないので、今回はご紹介しておりません。
また、自衛隊では一部部隊でレミントンM870ショットガンのウィルソンカスタムを採用しておりますが、
こちらも該当するエアガン製品が存在しておりませんので、ご案内を控えさせていただきます。
ベネリM4 海兵隊仕様 ショットガン
さて、3回に渡ってサバゲー用自衛隊装備についてご説明いたしましたが、今回のブログで自衛隊装備については終わりにします。
次回からはまた別のネタを探してきてご案内しますので、また次回ブログでお会いしましょう。